03話 こっちの世界の車掌さん
「失礼します、日中にお伺いした時はお休み中のようでしたので…。消灯時間前に切符の確認をさせていただきたくお伺いしました。」
と白服に身を包んだ…ネコミミ!ネコミミ茶髪のそばかすがかわいい女の車掌さんだ!背は私と同じくらいでそこまで高くないけど見るからに活発そうなお嬢さん。
「はじめまして、当列車の車掌のルーミアと申します。」
あ、初めまして。そういえば私の名前はどうなってるんだろう…とちらりとIDを見ると【マイ】と書いてある。前世と同じ名前にしてくれたんだね。
「丁寧にありがとうございます、マイと申します。切符とIDです。」
あっぶねぇ。自分の名前もわからんとか不審者が過ぎるわ。
「拝見いたします。…確かに10号車6号室、マイ様ですね。私はこの後ろの車掌車におりますので何か御用がありましたらお呼びください。食事や巡回で席を外していることもありますが、その際は車掌室の前に札をかけておりますので。」
という事は客車10両で機関車と車掌車合わせて12両ってとこか。魔導で動いてるから
それから食堂車の時間や車内のちょっとした案内を聞いた。食堂車は24時間やってはいるが所定の食事の提供はあと1時間で終了し以降は軽食とお酒の提供のみになると聞いて急いで食堂車に向かう事にする。
「この列車の食堂車は美味しいと評判なんですよ。私たちの食事も食堂車からの提供なので結構楽しみだったりするんです♪あとこれは裏技なんですが車掌車の前が展望車になっていてテイクアウトして持ってきて食べるという方法もありますよ。」
と心底嬉しそうな笑みを浮かべるルーミアさん。ほんとかわいいなこの猫娘。この世界には獣人と人族が存在しているけどラノベとかによくあるような他種族差別はなく仲良く共存しているようだ。あくまでそういう人種ということらしい。
「それは楽しみですね。また機会がありましたら色々お話を聞かせてください。」
にっこり笑って「もちろんです。」と返すルーミアさんは車掌室に戻って行った。さて、なにはともあれご飯だご飯!
そのまま外に出ても問題ない服装だったのでIDと切符をサコッシュに入れて食堂車へ。食堂車では切符が食事券を兼ねているらしく提示することによりサービスが受けられるとか。
「ギリギリになってすいません、お願いします。」
そういってカウンターに切符を提示する。
「はい、9号車6号室のマイ様ですね。食事の提供時間が終わりそうでしたので車掌に言伝を頼んで正解でしたね。それではお席でお待ちください。」
待つこと数分…ワンプレートの料理が運ばれてきた。コース的なのもあるそうだけどそっちは別料金だし今の時間にそれを食べると大変な事になりそうな気がしたのでこっちをチョイス。
ってもステーキプレートみたいなやつだから重い事には変わりないんだけどね!お酒は一応成人してるとはいえ飲むとどうなるかわからないから今は自重。住む場所が見つかって試してからじゃないとねぇ…。酔って車内で暴れるなんざ言語道断!元の世界では何回ぶん殴って放り出してやろうかと思った事か…。
気を取り直してご飯をいただく。…あ、ほんとに美味いや…ソースはシャリアピンっぽいので食べなれた感じの味がする。やっぱり神様が同じだから食文化も同じような感じになってるのかな?正直これは有り難い。食べ歩きも好きだったからこれは楽しみだね。
割とサクッと食べきってしまったけど少し物足りない…さすが15歳の身体は食べ盛りだわ…どうせ食べてもあんまり響かないんでしょ!?こっち来る直前だったら胃もたれはするわ肌はえらい事になるわで大変なんだから!
…というワケでサンドイッチとフライドポテト的なものとコーヒーをテイクアウトしてルーミアさんが言っていた展望車に行ってゆっくり食べよう。
魔導都市の鉄道員 まっこさん @oimaco
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