第82話 監禁①
「あの〜…麗奈?目が怖いよ?」
「ん〜?そうですかねぇ〜?こっそりアレシアさんと会ってたゆ・う・きさん?」
「………す、すみません」
ひょんなことからアレシアと出会って、色々と情報交換をしてから次の日。
アレシアをお母さんに合わせる件についてはまた後日ということで幕を下ろしたものの、私の試練はそれだけでは終わらなかった。
『アレシアさんの件、認めてはいますけど納得はしてませんから…覚悟してくださいね?結稀さん?』
あの後、機嫌悪めの麗奈がジト目で私に近づいてきた。
こしょっと耳打ちしてくると、麗奈の手はぴとりと身体に巻きついて離れない。
それにぐっと力が込められていて、それとなく麗奈の独占欲が伺える。
可愛いな…相変わらず。
重いと思いつつも、こんな可愛い許嫁に嫉妬されるなんて麗奈には悪いけど幸せだ。
と、その時はそう思っていたのだけど私は麗奈の言葉にある『覚悟』の意味をよく分からないでいた。
次の日、大変なことになるなんて思いも知らず……。
「フフ♡どうですか?苦しくないですか?」
「く、苦しくはないけど…今からなにをするの?」
場所は麗奈の部屋、それもベッドの上。
私はそのベッドの上に仰向けで寝ており、ベッドの支柱からは長めの紐が結ばれていて、それらの紐は私の両手足を拘束していた。
麗奈はそんな私を上から眺めていて、今から始まるショーに期待を膨らませ、ヤンデレな笑みを浮かべている。
ねぇ、一体今からなにするのさ!?
言われるがままに拘束されたけど、ここまで上機嫌だと怖いよ!
なにせ麗奈にはやりすぎな面があるんだ。
昨日も色々とされちゃったし、その前からちょめちょめされている。
もしかしてだけど、昨日の覚悟ってそう言う意味だったの!!?
「さて♡今から結稀さんには更に私の許嫁に相応しいよう…」
「調教♡します」
「ちょう!?」
「ちょ、ちょっと!なにも言わなかった私が悪いけど、ここまで大掛かりなことしなくても」
「え?でも以前言ってたじゃないですか?」
へ?なにを?
なんのことだろう?と頭を
そして困り眉(さらにかわいい)にして麗奈は過去を思い出させるように私の首に付いているチョーカーに触れて囁いた。
「私に監禁されたい♡…って♡」
「っあ、た…たしかに」
「うん、いいましたね…」
言った、確かに言いました…!
冗談含めてだけど、そう願ったのは確固たる事実だ。
忘れていたものを掘り返された挙句、それが恥ずかしいセリフだったので素で恥ずかしい…。
でも、麗奈は…。
「ね?言ってましたよね?」
「だから今日一日中…結稀さんは私のものです、結稀さんの行動ひとつひとつまで全部私が管理して♡私に隠し事ができないようにしてあげます♡」
超本気だった…。
そして、調教宣言と共に麗奈は動き出す。
私は思わず驚いて手足を動かすも、ビンッと拘束が動きを阻害する。
それはまるで何も出来ない標本の虫のようで、私は思わず冷や汗をかいた…同時に麗奈が私に触れる。
「っあ…♡」
「あら?」
びくりと身体が震えるのも束の間、私の声は反射的にえっちな声が出た…。
は、はずかしい…!いつも麗奈に鳴かされてばかりだからか自然の変な声が出てしまう!
そんな私の姿を見て、麗奈はクスクスと楽しそうに笑みを浮かべた。
「あらあら♪どうやら身体は教え込まれているみたいですね♡」
「な、なぁっ…!そ、そんなこと言わなくてもぉっ!」
「ええ、ええ♡だって結稀さんとは沢山肌を重ね合ったのですからそうなるのも必然ですよね♡」
や、やめっ…!言葉で言うなぁ!恥ずかしいからぁ!!
でも、麗奈はクスクスと怪しく笑ったまま何もしてこなかった。
おかしいな、いつもならここで襲いかかってくるはずなのに…今日の麗奈はいつもと違う。
「ですが…今日は結稀さんの『調教』♡いつもの手段では結稀さんを喜ばせてしまいますから今日は手段を変えますね…♡」
「手段を変えてって…一体何を」
麗奈は私の頭の方へと移動する。
何をしてるのかと思っていると、私の頭を支えていた枕が消え、代わりに小さくも重みがあって、だけれどふわふわとしている何かに置き換わる…。
そして、覗き込むように麗奈が私を見てくるのを見て私は気付いた。
これ、膝枕なのでは…!?と。
「首、痛くないですか?」
「だ、だいじょうぶだけど…一体どうして?」
「ふふ♡いつもの方法ではない別の方法でと思いまして♡…題して
「焦らしプレイ…?」
「はい♪」
キラキラ笑顔で麗奈は答える。
あまりにも可愛い声で言い切る姿にキュンと胸が高鳴る反面、麗奈から焦らすなんて言葉が出て私は不安に駆られる。
一体…なにをするんだろう?
「そんな不安な顔しないでください結稀さん、酷いことなんてしませんから♪…でも」
「で、でも?」
「今日一日ずぅっと…結稀さんは正真正銘私のモノ♡全ての行動は私が決めますから、そこだけは頭の中に入れておいてくださいね♡」
「…ご、ごくり」
今日ずっと、麗奈のモノ…。
今までも麗奈のモノ扱いはされていたけど、やっぱりアレシアとこっそり出会っていたのが余程効いていたのか麗奈はいつになく私に執心だ。
心なしか目が暗いような気がする。
けど、今日一日限定とはいえ…私は今日、麗奈に。
監禁されている状態なんだ…。
「結稀♡覚悟はいいですか?」
※あとがき
17日か18に上げる予定だったのですが、予定通り上げられず申し訳ございません。
近況報告にも書いた通り、この作品は不定期で投稿します。
そのため話のクオリティが下がってしまうことなどありますので、ここで謝罪します。
それでもと読んでくれる方は大変嬉しいです。
今回は結稀と麗奈の絡みが少なかったため、当分は二人のイチャラブを書きたいと思っております。
それでは…。
何でも好きって言っちゃう女の子が勘違いお嬢様と結婚してしまう話 犬 @rin126
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。何でも好きって言っちゃう女の子が勘違いお嬢様と結婚してしまう話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます