第80話 ヤンデレイナ
※事前注意 ぼかしているもののR18要素あります。
「ちょ、あの!麗奈!?」
嫉妬に狂った麗奈はいつもより強引だ。
今は身体が自由に動かせず、麗奈に押されるがままに壁際へと立たされる。
私の声が麗奈には届いていないのか、麗奈の瞳はいつも以上に野生的で盲目的だ。
つまりはヤンデレってことだね!
「結稀さん…このチョーカー、どんな意味でつけたか分かってますよね?」
「そ、そりゃあね?麗奈のものだって物で証拠に残したかったの分かってるよ?」
「そうです、偉いですね結稀さん♪」
「そう、結稀さんは私の物…それを皆様に知らしめるためにチョーカーを付けさせたというのに…!」
麗奈の手が震えている。
拘束されながらも伝わるその震えの意味に私は気付けないまま、麗奈は怒りを噛み潰すように喉を震わせて言った。
「世の中にはそれを知った上で私の大切なものを触れにくる者がいる…!私はそれが許せないんです!」
「…だから結稀さん♪」
「ひゃ、ひゃい!」
「結稀さんを抱きます♡あなたの心が私のことしか考えられなくなるように…塗り潰すように犯します♡」
「な、なに言ってるの麗奈!?」
ほんとになにいってるの!?
「ふふ♪ 結稀さん私は本気ですよ?」
「そ・れ・に♡言ってたじゃないですか♪私になら監禁されてもいいって♡」
「だから丸一日、結稀さんを監禁します♡」
「朝から次の日の陽が昇るまで…足先から頭の上まで結稀さんをトロトロになるまで可愛がってあげます♡」
「…ほ、本気だぁ」
ほ、本当に本気だ。
何一つとて嘘を言っている気配がない!冗談だという雰囲気も感じない!
ただひたすらにハイライトがなくなった麗奈の瞳が私を見据えていて、思わず背筋が伸びるくらい緊張する。
麗奈は恋に盲目なのか、ひたすらに私を愛でるように撫でてくる…ふとももだったり、腰だったり。
いやらしくねっとりと、蜘蛛のように獲物である私を逃さないように…。
今まで何度も嫉妬させてきたけど、今回はいつもの比じゃない…。
元々アレシアと麗奈は非常に仲が悪い。
それは好感度99999999な麗奈が私とアレシアがキスをしているところを見てしまったのが原因だ。
私が望んでしたことではないのは分かってるし、アレシア自身距離感が近くて私みたいな女の子だから麗奈も納得はしているんだろうけど…それはそれ、これはこれと言った様子で、もうずっと麗奈の所有欲が暴走している状態だ。
まさにヤンデレイナモード!
いやふざけてる場合じゃないなぁ私!?
「はい本気です♪ですが、すぐにそんなことはできないのでまた後日となってしまいますが…まずは♪」
「へっ?」
そう言って麗奈の顔が迫る。
嫉妬しているものの、ご機嫌な麗奈に私は素っ頓狂な声を上げると、すぐにその声は閉ざされた。
「キスから♡」
「んむっ!?」
閉ざされた唇。
湿った桜色の唇が私の唇を奪う。
同時に麗奈の舌が入ってくると、すぐさま私の舌に絡みついてきた。
何度も交わした熱いキスは麗奈にとってお手のもので、吸い尽くされるように長いキスが続く。
「ふふっ♪あむ♡んっ♡すき♡あっ♡」
「あむむっ…!ぷはっ、はぁ…あむっ!?むむっ………んっ♡あ♡」
抵抗しようにも、好きな人のキスには抗えない。
気付けば湿っぽい声が私の喉から飛び出ており、あっというまに恋人同士の熱いキス現場が生まれる。
そして、永遠とも思えるような時間が終わり…麗奈は拘束を外して一歩引く。
つぅーーっと互いの唇に艶やかな唾液の一本橋が繋がっている。
それはまるでまだキスがしたりないと言いたげなくらい、その橋は長く続いた。
「はぁっ♡はぁ…♡」
「結稀さん♡ああ…♡なんて可愛い姿♡」
「とろんと目が蕩けて、足がガクガクと子鹿みたいに震えている♡私のキスで腰が砕けてしまったんですねぇ♡」
「ら、らってぇ…♡だってぇ…♡」
「だってじゃないですよ?そんな姿じゃ、今すぐ襲ってくださいって言ってるようなものじゃないですかぁ♡」
そんなことない、と息を荒げつつも私は首を横に振るう。
けど、麗奈はそれを否定して首を更に振った。
そして一歩引いた間合いを再度詰めて、麗奈は再度私を壁際へと追いやった。
「否定しないでください♡だって結稀さんはぁ♡」
「…〜〜ッ♡」
「こぉんなにも…♡えっちなんですから♡」
瞬間、びくびくびくぅぅっと身体が跳ねた。
股下から脊髄までかけて、稲妻のように快感が走ってきて、立てなくなるくらいの衝撃に襲われる…。
だらしなく口元から唾液が垂れて、チカチカと視界が瞬く。
麗奈の手が、私の…大切なところに触れていた♡
すぅりすぅりと、優しく可愛がるように大切な場所を撫で回して、人差し指でちょんちょんっと力を入れてくる。
「に、にゃぁ〜〜〜〜〜……♡♡♡♡」
あ、しが…力がはいらにゃいぃ♡♡
ビリビリって脳がチカつく、いやらしい声が出ちゃう…!
麗奈がすごくご機嫌な顔で私を見てる!
恥ずかしい…!見ないでほしい!
でも、主導権は麗奈に握られたまま。
ガクガクと震える両足をなんとか立たせながら、私はよろめく身体を支えようと麗奈の肩に手を回した。
それは偶然にも、ガッチリとホールドを決めているような姿勢で。
「にゃ、にゃああ♡」
「ふふっ♡私のネコちゃんは良い声で鳴きますね♡」
「それに♡ぎゅう〜って抱きついてきて、まぁまぁ♡甘えんぼさんなんでしょうか♡」
「ち、ちがっ…にゃっ♡んにゃぁっ♡」
否定しようとするたびに、麗奈が私の気持ちいい所を弄る…。
猫のような声が廊下に漏れる、恥ずかしくて仕方ないのに…麗奈はその手を止める気配がしない。
「こ、声…!みんなに聞こえるからぁっ!も、もうやめてよぉっ!」
「えぇ?いいじゃないですか…にゃんにゃーんって♡可愛い声で鳴きましょう?」
「だってそうでもして見せつけないと、いつどこで結稀さんを奪われるか怖いので…」
誰にも奪われる予定なんてない、私は麗奈一筋なのに。
それでも、私の言葉はきっと麗奈には届かない。だってアレシアとキスをしている光景を見てしまったんだもの、麗奈が焦るのもよく分かる。
私だって、同じ境遇に立たされたら似たようなことをしてしまうから。
麗奈の寂しさを、その嫉妬を埋められるのは私しかいない。
婚約者としてその傷を埋めてあげたいけど、その場所はここじゃない。
だからどうにかして、この状況をやめさせないといけない…!なんだけど。
「にゃおんっ♡にゃぁぁぁぁあ…♡♡」
「ここ、弱いですよねぇネコちゃん♡ふふふっ結稀さんの大切なトコロ…♡きゅうきゅう〜って締め付けてきています♡」
「れ、れいにゃっ♡ほ、ほんとにみんなにバレちゃうからっ!わたしっ、麗奈の言うことなんでも聞くかりゃあっ♡だからお願い!もう、やめて…んにゃっ♡」
「なんでも?なぁんでも…ですかぁ?」
にやぁ…と麗奈の口角が歪む。
荒い息を吐きながら、快楽の余韻に浸る私はぼうっとした意識の中コクコクっと何度も頷く。
その姿を見た麗奈は、目をうっすらと薄めて更に口角を歪めると、私の耳元に口を近付けて囁いた。
「じゃあ♡明日…学校休んで私の屋敷に来てください♡今よりも甘く、ゆっくり…ねっとひと♡」
「結稀さんを可愛い可愛いネコちゃんに仕立ててあげますから♡」
「〜〜〜ッ♡」
ああ、言葉というのは凶器だ。
麗奈の可愛がってあげる宣言に、私の身体は昂るようにブルブルと震えた。
なにも弄られてないのに、その言葉だけで…私の身体に快感が走った。
その衝撃のあまりに、私は…涎を垂らしながら、だらしなく。
「にゃん♡」
と、頷いた。
※
今回文字数少なめ
R18要素多め
ごめんなさい
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