第37話 お風呂場もみもみ
「結稀ー!いい加減お風呂に入りなさい!」
「あ、はーい!今行くー!」
お父さんから許嫁のことを許してもらったあと、緊張から抜けて私と麗奈は自室で色々と遊んでいた。
トランプとかUNOとか、柳生さんを混ぜてよくあるパーティーゲームをしてたんだけど、時間が時間だからお母さんの一言に、私も思い出す。
もう遅いし、早くお風呂入らないとなぁ。
寮にいる時はいつも時間が決まっていたから、好きな時間に入れるってなんだか新鮮だ。
というより、ありがたみさえも感じちゃう。
「じゃあ私、先入ってくるね!」
「………」
「ん?麗奈、どうしたの?」
カードをその場に置いて立ち上がると、何故かカードを握りしめたまま麗奈が考え込むような表情で私を見てる。
なんだろう、と思ったけどすぐにふるふると首を横に振ると。
「なんでもありませんよ結稀さん」
と言った。
なんだったんだろ?
けど、まあいいやと私はお風呂に入ろうとするとリビングの方からお母さんがやってきて、ひょこりと顔を出して言った。
「あ、ついでに麗奈ちゃんと一緒に入りなさい」
「へ?なんで…?」
「だって、二人とも許嫁なんでしょう?それなら一緒に入った方がいいと思って」
さも当然みたいにお母さんはそんな事を言い出す。
いやいや!許嫁同士でも一緒にお風呂って恥ずかしいじゃんか!!
「は、恥ずかしいし嫌だよ!」
「ええ〜?お母さん的には二人の仲睦まじいところを見てみたいし…」
「覗く気満々だ!!」
ダメでしょ!?とツッコんだ後、私はふるふると首を横に振って否定する。
大体…家のお風呂を麗奈と一緒に入るなんて、麗奈自身も嫌でしょ?
それにまあ…温泉旅行の時もあるし、あの時のこと…うん、まだ恥ずいし。
思い出すのはあの時の光景。
麗奈に胸を揉まれて迫られたり、初めてキスを
初めてのキスは気持ちよかったけど、それでも思い出すたびに恥ずかしくなっちゃう。
だから、麗奈とお風呂は少し…。
と、思ってた矢先だった。
「私も!結稀さんと一緒に入りたいです!」
「れ、麗奈!?」
話を聞いていた麗奈が、入りたいと言って私達の会話に混ざってきたのは。
麗奈はふんすふんすと興奮気味に、私の前に近付くと宣言するみたいに言う。
「結稀とお風呂入りたいです!」
「もしかしてさっき悩んでたのってそれ!?」
はい!と麗奈は言って
そんな私達を見ていたお母さんは、ニヤニヤと愉快そうに笑って、私の肩をぽんっと叩く。
「ふふっ♪愛されてるわね結稀」
「か、からかわないでよ…」
「ほら、二人で一緒に入ってらっしゃい!お風呂場は結構広いんだから!一人だと寂しいだけよ!」
ほらほらとテンション高めのお母さんに押されて、私と麗奈は押し出される。
そして、脱衣所に二人きりになった私と麗奈は…なんとも言えない空気感の中、ふいっと視線を逸らす。
どーしよ…ちょっと恥ずい。
以前のこともあるからか、妙に麗奈のことを意識しちゃって…まともに顔を見れそうにない。
多分、麗奈も私と同じ気持ちなんだと思う。じゃないと目を逸らしたりしないもの。
身体の奥底から…なんともいえないむず痒さが
ぞわぞわ〜っと全身に走ると、
頬が熱くなって、自然と視線が麗奈の方へと向かう。
白くて綺麗な肌、整った顔、それに…胸とかふとももとか。
な、なに見てんの私…変態じゃんか。
そう思って咄嗟に視線を逸らすけど、胸の奥がじんじんと疼いて、もう一度見たくなる。
そうして、なんて表現したらいいのか分かんないウズウズと戦っていると、麗奈がぷちっとボタンを外し始めた!
「え、わっ…れ、麗奈!?」
「どうしたんです?結稀さん、お風呂入らないんですか?」
「あ、いや入るんだけど…!」
そうなんだけど…!麗奈が私の目の前で脱ぎ始めるのが、なんかすごく問題のような気がして仕方ないんだよ!
でも、そんな事を言えるわけもなく「あうあう」と
口角を
「もしかして結稀さん…私に意識してますか?」
ふふっ♡と嬉しそうに笑って、さらにプチプチとボタンを急速に外し始める麗奈。
あ、あわわわわっ!早いよ!早いよ麗奈ぁ!
慌てる私に、麗奈はクスクスと
すると、耳元に唇を近付けて…麗奈はぽしょぽしょと言った。
「結稀さん…意識しすぎですよ♡」
「は、はあ!?いや…別にしてないけど!」
煽るみたいに言われて、咄嗟に否定する。
けど、クスクスと嘲笑うように麗奈は笑って言った。
「結稀さんのそういう反応、すごく可愛いです♡」
「む、むぅぅぅ〜!」
麗奈の方こそ可愛いくせに、何言ってんだと抗議したくなる気持ちを
なら、麗奈だってドキドキすればいいんだ!
そう思った瞬間、私は服をバッと勢いよく脱いで下着姿になる。
少し恥ずかしさを覚えたけど、あまりの勢いの良さに麗奈は驚きつつも、私に釘付けのようだ。
「ふぅん♪麗奈ってばずいぶんと私のことを見るね♪」
「はっ!いや、これはその…ず、ずるいですよ!」
なにがずるいんだ、なにが。
でも、下着姿になった私をこんなにも見てくるなんて思いもしなかった。
というか、その事実だけですっごく恥ずかしくなってくる…!
やっぱり麗奈は私のことを本気で好きで、やっぱり私とそういう事をしたいんだって…本気で思わせてくる。
お、女の子同士で…そういうこと出来るのかな…。
いやいや!今はそんなこと考えてないで!!
「さ、さっさとお風呂入るぞぉ!」
うおー!と逃げるようにすっぽんぽんになって、私は一足先に入ってく。
待ってくださいと麗奈が言っているけど、私は目を
◇
「もう、先に行くなんて酷いじゃないですか」
「ご、ごめんって…」
私達は一緒の湯船に浸かって、対面するような形でお風呂に入っていた。
麗奈は頬を膨らませて、さっきのことを根に持っているようで、私は苦笑しながら謝る。
だけど、私の視線は麗奈には向いてなかった。
麗奈の裸…すごく目に悪いっ…!
そう、私も裸なら麗奈も裸だ。
温泉の時も見たはずなのに、いつにも増して恥ずかしさが
「でも、久しぶりですよね…一緒にお風呂に入るのは」
「そ、そうだねぇ…」
「温泉の時はその、ごめんなさい…私、うまく理性を制御できてませんでした」
「へ?いやいや、謝らなくてもいいよ!」
温泉の時を思い出して、麗奈はぺこりと頭を下げる。
咄嗟に謝らなくてもいいと言うと、麗奈はあっさりと顔を上げて、少し笑いながら言った。
「でも、今の私達は許嫁の関係ですよね?」
「へ?まあ、そうだね」
「なら、あの時の続きをしても良いのではないでしょうか?」
まるで、明暗!とでも言いたそうに、麗奈はキメ顔で言う。
いや、いやいやいや!反省してたんじゃないの!?というか無茶苦茶だよ!
私が慌てても、麗奈の中では既に完結してるのか、麗奈は湯船を揺らしながらにじりにじりと寄ってくる…。
ぬくもった身体が僅かに熱を帯びていて、とてもえっちだと思ったのは、ここだけのナイショ。
「ねぇ結稀さん…あなたのお胸を揉んでもいいですか?」
「あわわわ…」
湿気と湯気が私達を覆う中、麗奈はじっとりと濡れた髪を頬に付けて…そう呟く。
水の
そんな麗奈の色気にごくりと生唾を呑み込んだ私は…勢いに負けて、こくりと頷いた。
すると、麗奈はフフッと嬉しそうに微笑を浮かべるのだった。
「じゃあ、揉みますね?」
「…う、うん」
私が小さく頷くと、麗奈の細い指がじりじりと胸に近付く。
そして、ゆっくりと私の胸に
まるで、欲望が満たされたみたいな、そんな感じだった。
「ふふっ…結稀さんの胸、すっごく柔らかい」
「ほどよい弾力と心地よい柔らかさ…なぞるように触れるとびくりと震えたりするの…本当に可愛いです」
「れ、レビューしないでよ…!」
ふにふにもみもみと、優しく激しく楽しく揉みながら、麗奈はそんな感想を溢す。
私は「もう!」と呆れ半分で言うと、麗奈は「ごめんなさい」と笑いながら言った。
温泉の時みたいに、罪悪感はないみたいだった。
楽しむみたいに揉んでは、麗奈は物足りなさそうな顔をして…さらに激しくなっていく。
揉んで、なぞって…くすぐるように優しく触れて、乱暴に触れたと思ったら…また優しくなって。
まるでジェットコースターみたいだと思っていたら、胸がじんじんと疼いてきて…思わず。
「んっ…♡」
唇の隙間から、かわいい声が漏れる。
しまったと口元を手で隠すけど、麗奈は私の方をすぐに見ると嬉しそうに笑う。
「ふふっ♡気持ちいいですか?」
「よ、よくないけど?」
なんでだろ、勝ち負けの話じゃないのに…認めたくなくて私は否定する。
すると、麗奈は「そうですか…」としょぼんとした顔で言って、ある提案をした。
「では、もう少し
「へ?攻めるって…?」
「こういうことです」
ニヤッと笑って、麗奈は更に揉み続ける。
さっきより
揉んだり、引っ張ったり、撫でたりと気持ちいいところを、顔を
「んぅっ…♡そこっ、だめっ…!」
「ふふっ♪ここがいいんですね?」
「や、やめっ…あ、だめ!ほんとだめだから!……麗奈だめ!ん、あんっ♡」
小悪魔のように見えた…。
「はぁ、はぁー…んっ♡だめって言ったのに」
ちゃぷちゃぷと湯船に波紋を描きながら、私は恨めしげに麗奈を見る。
麗奈はすっごく満足そうで、私を見てはニコニコとご機嫌上々だ。
だけど、まだ物足りなさそうでもあって…私はぞっとして身を引こうとする。
でも、後ろは壁で逃げ場はない…。
私が嫌な予感を感じていると、麗奈はフフッと笑いながら言った。
「まだ、やりたりないです♡」
「も、もう十分したじゃん」
「いいえ…結稀さんの可愛らしい姿を見てたら、もっとしたくなりました♡」
それに…と付け足して、麗奈が顔を近付ける。
唇の動きと…麗奈の瞳に宿る想いに、私はすぐに理解した。
麗奈がしたいこと、してほしいことが。
というより、麗奈がこの状況で求めるものなんて一つしかない。
「キス…したいんでしょ?」
ぷいっと、視線を逸らしながら当ててみる。
「はい♡」
「ほらやっぱり…」
すぐに返事が返ってきて、予想が的中したから私は恥ずかしくなって
また、お風呂でキスしちゃうんだと…羞恥に悶えそうになる。
でも…。
胸を揉まれて気持ちよかったのもあって、私自身…そういう雰囲気になってると言いますか。
えと、その…。
今ここでキスしても、いいかなって思ってる自分がいるんだよねぇ…。
「キス…しませんか?」
懇願するような瞳で、麗奈は言う。
私は少し言葉に詰まって、それから…。
「…うん」
頬を燃え上がりそうな赤に染めて、こくりと頷く。
言っちゃった…やっちゃった!頷いちゃった!
わああああ!と内心慌てるけど、麗奈は嬉しそうに「ありがとうございます」と言うと、そっと唇を重ね合わせようと動き出す。
「結稀さん…好きです」
「う、ううっ…」
恥ずい恥ずい恥ずい…!
でも、唇を
もう何度もしてるのに、それでも緊張しちゃう、恥ずかしくなっちゃう。
ドキドキと跳ねる心臓を抑えながら、麗奈の唇は私のと……!!
『二人ともー?お風呂そろそろ上がりなさーい!』
重ね合わさりそうになる…瞬間だった。
あと一歩のところで、お母さんの声が麗奈の動きを止めた。
「怒られちゃいましたね…」
あはは…と苦笑を浮かべて、残念そうな表情を浮かべてる麗奈。
それではあがりましょうと、麗奈は立ち上がろうとして…私は!
「ま、待って麗奈」
「は、はい!なんでしょうか?」
立ち止まる麗奈、私は恥ずかしがる時間も捨てて…そっと顔を近付ける。
唇に柔らかい感色が走ると、私は今更恥ずかしくなってお風呂から出た…。
しちゃった…!しちゃった…!しちゃったぁ…!
うわーうわーうわー!と内心焦りながら急いで全身をタオルで拭く。
キスをお母さんに邪魔された時、麗奈はすごく残念そうだった…。
なら、私がするべき行動なら一つしかない。
私からキスすることだ…!
それは、麗奈が困ってるからだとか…そんなのから始めたんじゃなくて、私自身がしたいからしたんだ…。
で、でもやっぱ!
「は、はずいっ!!」
私はきゃー!と恥ずかしくなって顔を覆うのだった…。
※
36話のおまけの続きは今度出します。
それはそうと、昨日の段階でフォロワーが400人を超えました!!
気が付けばいろんな人にフォローされてて嬉しい限りです!
やはり毎日投稿は偉大だなと思った反面、これだけはやめられないと決意させられます。
これからも応援してくださると嬉しいです!
では。
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