ガチャの誘惑

初めてのフードメニューを迎え入れて三日ほど経過した。

アルフレッドはすぐに飽きると判断したジャガイモメニューだが、そのポテンシャルは全く別ベクトルからの可能性を見出していた。


まずはこれを見てほしい。


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 <アルの農園>

 農園  :LV2

 スープ :LV1

 シェフ :LV1

 フレンド: 7人

 畑   :8/8

 <まほう :20/20>

 ▼農園内時間加速

 30分【1】

 2時間【3】

 4時間【5】

 12時間【10】

 24時間【15】

 <所持品>

 トマト、ニンジン、タマネギ、ナス、カブ、ジャガイモ

 <お散歩アイテム>

 なずな

 <スープ:4/4>

 ◎キャロットジュース_ 70G_9

 ◎トマトジュース  _ 90G_9

 ◎トマトスープ   _100G_9

 ◎オニオンスープ  _150G_9

 <フード:2/4>

 ★フライドポテト  _100G_5

 ★マッシュポテト  _200G_3

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 <購入可能アイテム/所持金:2600G>

 ホウレンソウ    70G

 オクラ       80G

 トウモロコシ   300G

 コムギ      800G

 オオムギ    1000G

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 <課金アイテム/所持金:¥0>

 豊穣のシャベル   _¥300(収穫量二倍7日)

 祝福のジョウロ   _¥300(グレード+1/7日)

 自動お世話チケット _¥500(7日)

 まほう回復チケット _¥500(+300)

 ようせい像(金)  _¥500(まほう全体化30分)

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 <ベジタブルガチャ:0/100P>

 まわした回数        0回

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フレンドが一気に6人増えた。

そして手をつけてるのはフードが多いのだ。

トマトスープの人は数日に一回しか手をつけないのに対し、この6人は日に3回来る。


相変わらずスープを置かずに飲み逃げするマナー違反者だが、増えた所持金の額に満面の笑みを浮かべるアルフレッド。


資金が潤えば、できる事が増えるためアルフレッドもベジポイントは諦めたと以前購入を諦めたコムギに焦点を当てた。


そして購入してすぐに頭を抱えた。



「収穫まで18時間、嘘でしょ!?」



ジャガイモの実に2倍。いや、それ以上だ。

本日中にスープ、またはフードが増えない可能性が出てきて頭を抱えてる時だ、アルフレッドの中に悪魔的閃きが舞い降りる。



「これ、もしかして所持金も取り出せる?」



今までスープやフードしか取り出してこなかったアルフレッドは、小麦で減った500Gを省いた2100Gを現実に持ち出した。

取り出す際にいくら持ち出すかわからずにそのまま選択してしまったので全額取り出してしまうが、問題ないだろう。



「あはは、本当にできた……これは凄いぞ!」



メインアバターの所持金も¥0から¥2100に増えている。

そして課金の項目を選択すると、ハッピーベジタブルのアイテム購入画面に進んだ。



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 <課金アイテム/所持金:¥2100>

 豊穣のシャベル   _¥300(収穫量二倍7日)

 祝福のジョウロ   _¥300(グレード+1/7日)

 自動お世話チケット _¥500(7日)

           _¥800(14日)

 まほう回復チケット _¥500(+300)

           _¥800(+500)

 ようせい像(銀)  _¥500(まほう全体化30分)

      (金)  _¥800(まほう全体化60分)

 ベジガチャ豪華版1回_¥300(豪華賞品当たるかな?)

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「想像以上に多いけど……」



今欲してやまないのはまほう回復チケットとようせい像くらいだ。


まほうは一日経過すると回復するが、正直開墾地一つに対して使用するのですこぶる効率が悪い。

だがここでまほうを+300できたらどうだろう?

作物を育て放題である。そしてようせい像がさらに効率を上げてくれる。シャベルやジョウロも捨てがたい。

うーんどれにしようか迷うな。

アルフレッドは手持ちの資金以上のものを欲しくなってしまった。


まほう回復チケットとようせい像を購入して残りの資金は¥1500。


つい魔がさしてベジガチャ豪華版を回してしまう。

きっと無駄な使い方なのだろうが、ガチャという未知の経験を一度くらいはしてみたいと衝動を抑えきれなかった。


ギャンブルで破滅を招くタイプである。

ただでさえ守るものさえ失ったアルフレッドにとって、この離れが最後の砦。損をするのは自分だけだ。

そんな覚悟がガチャのレバーを回す手に力を貸した。


飛び出てきた玉が割れて、煙が周囲を覆う。

中から現れたのは……



「自動お世話チケット14日分だ」



¥800の物が¥300で出てきてしまって良いのか?


男の知識でガチャは沼だと理解しているアルフレッドだが、まだ沼を体験したことのないアルフレッドは脳内のアドレナリンが過剰分泌されてる状況に初めて陥り、気がつけばもう一回、もう一回とまわしてしまっていた。


合計五回。

被害額¥1500。

入手したアイテムは……


自動お世話チケット7日分(¥500)

自動お世話チケット14日分(¥800)

豊穣のスコップ(¥300)

祝福のジョウロ(¥300)

ようせい像・銀(¥500)

_トータル¥2400。


次も是非回そうと思うほど大儲けしたアルフレッド。

それが沼の始まりだということも知らず、アルフレッドは農園に舞い戻る。


早速ようせい像(銀)を置いてまほうを行使する。



「あ、先にまほう回復をしておくんだった」



レベルが2に上がってまほうを毎日20ポイントは消費できるが、半分の10ポイントを使ったところで全部使うのは勿体無いと思い至った。


まほうを全体化した事でコムギ以外の作物が収穫出来たので、空いた場所にさらに他の野菜を植えた。



「あ、そうだ! ジョウロとスコップも使っておこう」



不幸中の幸い。

まほうが先に尽きた事で収穫前に気づけたことがある。

グレードを+1してくれるジョウロは、なんとCから一気にAにしてくれる優れものだ。

スコップに至ってはお世話3回で3個収穫できる作物を6個にしてくれる一品。


一度味わったらもうこれがない生活に耐えられそうもないとアルフレッドはコムギの収穫を急いだ。

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