永久に巡り会えぬあの人に

 キリスト教の幼稚園でも、七夕や雛祭り、ハロウィンはやる。日本の子供として当たり前の情操教育だからだ。

 という訳で、本日は七夕のための短冊を書いている。…もう少し、短冊を太くした方が良かったのではないだろうか。

「しんぷさまはやっぱり、かみさまにあいたいの?」

 1番上、1番上、と、競い合う園児達のために、脚立の上に立っていると、ふと園児の1人がそんなことを言った。

「そうだねえ…。」

 実の所、信仰そのものである自分達は、神を見たことがない。というより、そこまで至っていない。

 ただ、たかだか15光年の距離を渡って会えるとするならば。

 会いたい人なら、いる。

 霊ではなく、肉体を持った人間として、キリスト教いちぞくを確かなものにしてくれた、「人間の父」に。

 そして、やはり会ってみたいのは、信仰の模範である『聖母テオトコス』。

 どちらも、原始教会ようしょうきに父が会っている。その嫉妬の炎は、笹の葉を燃やすねがいに、似ているかもしれない。


 ぱぱとままにあわせてください


 特に何も言われなかったが、園児から見えない位置に吊るした短冊。たかが3歳程度の人間の子供と、同じような願い事をしていると知られたら、弟たちに笑われるかもしれない。

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