三枚目 「なんだこりゃ?」

 とおいとおいむかし、逃げ出した奴隷たちは、荒野の中で、神様に祈りました。

「食べ物をください、食べ物をください」

 すると、空から食べられる雪が降ってきました。

なんだこりゃマンナ?」

 そして奴隷たちは飢えを凌ぎました。


 最近になって、食料が足りなくなりましたので、国民達はデモを起こしました。

「食べ物を寄越せ、コオロギなんか食えるか!」

 すると、世界を動かしている1%の人達は、宇宙に逃げてしまいました。

なんだこりゃマンナ? 神も仏もあるもんか!」


 しばらくして、世界中に、沢山の食べ物が降ってきました。

なんだこりゃマンナ?」

 おかみは見捨てた訳では無かったのです。でも食べ物は、毎日1回しか落ちてきません。保存も出来ません。

「缶詰を寄越せ、今日1日しか食えないなんて、安心できるか!」

 人々は、インターネットで何とかクレームを届けようとしました。そして、かみさまに、卑怯なおかみを裁くように祈りました。


 とおいとおい遥かな開拓地で、動けなくなってる人たちがいました。

「今日の分のマンナだよ、お食べ。」

 彼らの父親が、五人を介抱してくれます。

「…帰りたいな」

 地球に取り残され、不作地のようになった人々の心を思いながら、息子達は口々に言ったのでした。

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