二枚目 トモダチの居場所

 ―――本当に、全てと友になりたいのなら、特別な馬車に乗せてやろう。


「これに乗りな。」

 昨日と同じように、まったく突然に、あのお方はいらっしゃいました。その「馬車」の馬は、目が光っていて、煙というより雲のようなものをあげながら走ってやってきました。

 花や空、不思議な建物…景色には友達しかいません。

「あ! 待ってください!」

 私はその中で、「まだ」友達になれていないものがあることに気が付き、「馬車」から飛び降りました。きっとこの人を友人にする為に、あの方は私にこのような不思議な旅と話を用意したのでしょう。私は、真っ黒に汚れたその人を、自分の服を真っ二つにして、丁寧に拭き取りました。しかし結局私が全裸になっても、その人は黒く汚れたままでした。

「馬車の中においでなさい。革製品を壊せばまだ拭けます。…そういえば、あなたのお名前は?」

「…俺の名、は…■■■■。」

 に、私は目を見開き、そしてこの時、私は「彼」を支えるために人生を捧げるのだと気づいたのです。

―――

 アッシジのフランシスコ。

 「死」とすら友情を育んだと言われる、清貧の聖人。インノケンティウス三世の認可により、フランシスコ会を創設した。

 

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