二枚目 トモダチの居場所
―――本当に、全てと友になりたいのなら、特別な馬車に乗せてやろう。
「これに乗りな。」
昨日と同じように、まったく突然に、あのお方はいらっしゃいました。その「馬車」の馬は、目が光っていて、煙というより雲のようなものをあげながら走ってやってきました。
花や空、不思議な建物…景色には友達しかいません。
「あ! 待ってください!」
私はその中で、「まだ」友達になれていないものがあることに気が付き、「馬車」から飛び降りました。きっとこの人を友人にする為に、あの方は私にこのような不思議な旅と話を用意したのでしょう。私は、真っ黒に汚れたその人を、自分の服を真っ二つにして、丁寧に拭き取りました。しかし結局私が全裸になっても、その人は黒く汚れたままでした。
「馬車の中においでなさい。革製品を壊せばまだ拭けます。…そういえば、あなたのお名前は?」
「…俺の名、は…■■■■。」
ありえない名前に、私は目を見開き、そしてこの時、私は「彼」を支えるために人生を捧げるのだと気づいたのです。
―――
アッシジのフランシスコ。
「死」とすら友情を育んだと言われる、清貧の聖人。インノケンティウス三世の認可により、フランシスコ会を創設した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます