第3節 木漏れ日の下で
椅子には埃が溜まり、床には瓦礫が落ちている。
教会の中のマリア像は砕け、十字架は頭の部分が吹き飛び、壁から外れ、道行のために使われる12のステンドグラスは砕け散って、もはや何も残っていない。
乾ききった血と、戦う決意をしただけの一般人の死体が腐臭を放つ。踏み入れれば、軍靴であっても足と心を切り刻まれるだろう。
ただ、ここはそれでも聖なる場所であったので。
徹底的な破壊の中に、確かに「十字架」が光っていたので。
ただ、静かに、静かに、祈ることが出来た。
滅ぼすものを愛し、滅ぼされるものを愛する神よ。
どうか裁きの日、怒り憎しみ合うべしと言われる彼らに、どうぞ同じ食卓を。
武器に祈りを、毒に祝福を、殺戮に愛を、凌辱に憩いを。
彼ら人間、神の写し身なれば。
1人の人間が思いつくような慈悲を、貴方が完全なものとして与えてくださるでしょう。
―――ねえ、神父様。どうして人間の社会は、開発者を叩くの? その開発で人を殺すのは、
ああ、そうだね、
お前は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます