第25話 黒幕
◇
一方、その頃――
コアラ・サナトリウムの地下、【KOALA】などの兵器収容区画では朝顔がカードキーを手に端末をまさぐっていた。
そうして、幾度とないパスワードの入力失敗を繰り返し、遂に解除に成功をする。
「――『
(『絶対に自分に逆らわない子』――カードキーを持たされていた菫が、ドクターの思った以上にポンコツで助かった。こうもあっさりカードキーを渡してくれるなんて)
『ボクには使い方がわかんないから。ドクターを助ける何かに使えるなら、イインチョーが持ってた方が安心だ』
(……なんて。これも一種の信頼の証なのかしら?)
――嬉しい。好きな人に、そうやって信頼してもらえるなんて。
(でも、ごめんね菫……私は、ドクターを助けたいわけじゃないの)
ただ、『真実』を知りたい。
そうして開いた隠し通路から、朝顔は無骨なエレベーターで地下へと降りていく。
そうして、目の当たりにした光景に目を見開いた。
「これは……!」
そこにいたのは、純白の輝きを放ち、十二色の羽根を持つ機体――
カグヤだったのだ。
先日押収したかぐや姫の乗っていた機体とも違う。むしろ、アレとは一線を画した技術の粋のような最新型の機体。
朝顔自身も【PANDA】のパイロットだからこそわかる。こいつは、この【天使のカグヤ】には、サナトリウム内の皆が束になっても敵わない。
むしろ、こいつのメンテナンスをする際に不要になったパーツの有り合わせで【PANDA】や【KOALA】が作られていたのではないかと錯覚してしまう程だ。
機体のパイロットは――考えるまでもないだろう。
狂人たちの管理統括官にして、最高技術者――ドクターだ。
ユーザー登録欄には、無数の文字の羅列が見える。
(アルト・サー・ロイド、ジャネット、ディオン、サロメディア、
地域も時代も、性別すらもバラバラ。でも、確かに人の名前のように思われる。
(まさかコレ……全部、ドクターの名前なの?)
長年の疑問だった、ドクターの年齢不詳、性別不詳もそのせいなのだろうか。
巷では不老不死だの仙人だのと謳われているが、まさか本当に、あの人は歳を取らないのか――?
カグヤの襲来に唯一対抗できる兵器を生みだせるドクターは、今の地球にとって要と言える存在だ。だが、もし彼女が望んでこの状況を生みだしているのだとしたら?
「完全に、黒幕じゃないの……!」
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※あとがき
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