第15話 男女比1:99
「なぜドクターを撃ったのか、教えて貰える? どうやってあのセキュリティを突破したの?」
「……知らない」
「犯行の手法については国家機密? とかなのかしら。困ったわね……」
ぶっきらぼうな返答に、朝顔は困ったように頬を掻いた。
すると、何かに気づいたかぐや姫が、突如として顔をあげた。
「……! 男子の匂いがする……そこに、いるの?」
その場の誰もが一斉に俺に視線を向けた。
「俺? はい、一応、生物学上男子ですけれども……?」
それがどうかしたのか。その場の誰もが浮かべた問いに、かぐや姫は恍惚とした表情で。
「ああ! ようやく見つけた! 特攻兵に志願して、はるばる異星まで来た甲斐があったものだわ! 私の運命のお方……! 私に、『愛』を教えてくださいな!!」
「「「は????」」」
「なぁに考えてんだ、この色ボケメスガキは~~??」
「ですです! 急に何を言い出すんですか、この子! 京太さんに失礼ですよ!」
「ンだぞ! 京太はボクのことを守ってくれた! めちゃイイ奴だ! 誰がてめ~なんかに……てめ~に京太は十年早ぇえンだよボケぇ!!」
「ちょっと、二人とも落ち着いて。そもそも京太は『愛』を知らないわ。この世で愛を知る人間はドクターひとり。それも、先の銃撃によってその命を落としたわ。『愛』なんて、今や解明の余地のない幻の感情……」
「御託はいいです! ああ、この惑星……地球が、世にも貴重な男子の存在を独占していたのですね!? だから『あいつ』は『ここ』を選んだ? いえ、そんなことよりも! 京太さんというのですか!? いいから、そのお顔を、一目拝見させてくださいまし!」
「えっ。何この子……圧がヤバイ」
さすがにドン引きしていると、暴れに暴れたかぐや姫の目隠しが遂にずれて、俺と目が合う。
「なんて勇ましい、瞳……!」
そう言って、かぐや姫は鼻血を出してガクッ! と失神した。
鎖に繋がれてだらりとぶら下がる少女と、滴る血に、皆の血の気が引く音がする。
「これが、異星人……? 何? 異星は男女比が1:99とかなのかしら?」
「やべぇよぉお……」
「怖すぎますぅ……!!」
「でも、これは使えるわ」
きらり、と閃いた朝顔によって、俺はかぐや姫の世話係と、事情を聴き出す役割を押し付けられたのだった。
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※あとがき
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