第2話 GAME START:チュートリアルと出会いの予感
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◇○×■……#!♡=☆――&W*?+六;「」○●――#M×……○%□七★=◆
「ハッ!!? はぁ、はぁ……え? ゆ、夢? つか、どこココ?」
急に意識がハッキリとして目が覚めた、のか? んでもって、ここは、一体どこだ? なんで俺、野原のど真ん中で寝てたんだ?
小鳥たちが歌をさえずり。地面についた両手の先からは、ひんやりとさわさわが混じった肌触りの良い草が、カーペットみたいに見渡すかぎり広がっている。見上げた空は、雲の少ない爽やかな青空で見ていてとても気分が良かった。
いやいや!? いいところなのは確かだけど!? 明らかに知らん場所だし! お、落ち着け俺ぇ!! とにかく落ち着くんだ、深呼吸。
よし落ち着いた! それにしても、なんだかすごい変な夢を見ていた気がする。
確か家でゲームをやってたら、宅配便――いや、変なヤツに拉致られて。それから、それから……? なんだか頭がボーっとしてうまく思い出せない。
なぜか知らないけど身体中がメチャクチャ痛いし、何か大きいモノに思いっきりぶつかったみたいな感じだ。ん? “ぶつかった”?
“ぶつかった”、その単語が頭をよぎった瞬間。思い出したくない苦い記憶がよみがえった時みたいに、唐突に頭の中に記憶が流れ込んできた。
そしてようやく思い出した、自分が一体、どんな目にあったのかを。もしこの記憶が真実だとすると、おれは――まさか。
「あの“自称”『謎の秘密結社』にマジで異世界転生させられたのか!?」
にわかには信じられない、そもそも普通ならまず信じないけど! でも……いやいやいや! ゲームやアニメや最近のライトノベルじゃあるまいし、夢じゃないとしたらきっと『幻覚』か『野原にポイ捨てされた』のどちらかに違いない! 個人的には前者を推したいな。
そんなことを考えていたら、急にどこからか『メールの着信音』みたいなピロリンって音が聞こえてきた。え? なんで着信音が!? 俺今ケータイ持ってないし、一体どこから――。
ん? なんだ? この視線の右上にあるメールの封筒マークみたいなの? ビックリマークまでついてるし……。
いや、本当になんなんだよこの幻覚、アイツらに変なものでも食わされたのかな? まぁ、どうせ幻覚だし触ったりしても大丈夫だろう。ほいポチっと!
「現在ノ状況:幻覚ジャナイヨ、現実ダヨ。君ハ異世界ニイルンダヨ」
うわぁ~すご~い! なんかゲームのチュートリアルメッセージみたいなのが空中に出てきた~!
へぇ~、そうなんだぁ。コレ現実なんだぁ、しかもマジで異世界にいるんだぁ――って、誰じゃいお前ッ!!? というか、この微妙にカタコトな話し方どこかで……って、まさかあの時のアイツか!? あの自称謎の秘密結社のリーダー!?
あとは現地で話す的なこと言ってたけど、まさかこんな感じでくるとは。いや、なぜにこんな方法で?
「理由:イヤ、君ノ『スキル』カラ中継シテルラ。『スキル』ニチナンダ連絡方法ニナッテルンダヨ」
え? 『スキル』? た、確かに異世界転生って、転生した先で特別な能力もらえるのが定番だけど。
それどうやって確認すればいいんだ? コントローラーはもとより、メニューボタンとかのたぐいもないんだが……。
「安心シテ!:大丈夫、ソウイウト思ッテチャント『チュートリアル』ヲ用意シタカラ! 今カラオクルヨ!」
あ、ちゃんと本物のチュートリアルもあるんだ。いや、逆になんであるんだよ!? そして、このメッセージが表示されてから約十秒後に『チュートリアル』と書かれたファイルみたいなのが届いた。
ま、とにかく見てみるか。完全初見だしスキップせずに、普通によく確認しておこう! なになに――『操作説明①:片足を前に出した後に、もう片方のあしも前に出すと“歩けます”』? おいこれ絶対ウケ狙いで書いただろ、ふざけんな。
き、気を取り直して次! えっと――『操作説明②:両方の足を曲げると“しゃがみ”ます』? あーもうッ! 前言撤回、重要度の高いやつ以外全スキップで!!
違う違う違う違う違う……んもぉ! アキレス腱の伸ばし方なんて今はいいよッ! もっとこう! メニュー画面の出し方とか――おっとっと!? 危ない危ない、メニューの出し方までスキップするところだった。
どれどれ? 『メニュー画面①:“メニュー”と口で唱えると出てきます。また、この操作はショートカットに登録することができます』だって? マ、マジで言ってるのか?
そんなんで本当に出てくるのか? やや半信半疑だが、ここはゲームのお約束『やらなきゃ先に進まない』の法則に乗っ取って、とりあえずやってみよう。少し恥ずかしいけど……。
「メ、“メニュー”?」
そう口に出した瞬間、SF映画でよくありそうな『ホログラムのモニターパネル』風の画面が何もないハズの空中に現れた。
な、なんか少し感動した! こういう何もない所からシュンって出るやつ、昔から憧れてたんだよなぁ~! おっと、感動に浸っている場合じゃない。メニューのできること確認を忘れずにやらないと!
フムフム、まだいくつか『???』だったり、黒くて使えない項目もあるけど。
とりあえず『装備』、『ポーチ』、『セーブ&ロード』、『ステータス』、『オプション』、『アイテムの取得・調合・精錬』、『レベルと経験値』、『マップ』の存在は確認した。恐らく他の要素は、後々追加されるのだろう。
あと、個人的に驚いたのが『メニュー画面②:メニュー画面を開いている間は、移動することができなくなりますが“一時的に時間が止まります”』って仕様。そういうの拾うんだってなった……。
そして、このやけにゲームっぽい雰囲気の理由がメニュー色々見てやっと分かった。さっきあの自称謎の秘密結社のリーダー――今更だけど長いな、謎リーダーでいいかもう。
で、その謎リーダーが言ってた『スキル』ってやつ。ステータス画面あさってたら本当にあったんだよね……『
フレーバーテキストには『
というかそもそも、この世界がゲームならジャンルはなんだよ!? オープンワールド? RPG? シミュレーション? せめてそこを教えてくれよ! 当たり前だけどゲームってジャンルごとに微妙に攻略の方法ちがうんだよ!?
ちなみに、その後のチュートリアルは流石に長かったからサラッと確認して、とりあえずゲームの鉄則その一『序盤はとにかくアイテム集めろ!』に乗っ取り、使えそうなアイテムを探そう。
それにしても、まさかこんなことになるなんて……俺ただゲームしてただけなのに。というか、何気に一人ぼっちでいるのって割と寂しいもんなんだな。
せめて誰か、村人枠でもいいから誰かに会いたい……でも、できればカワイイ女の子がいいなぁ。
そんな下心全開なことを考えていると、不意に目の前に『ゲームの画面下に出るタイプの吹き出し』が現れ、どこからか“何かが聞こえてきた”。
「うわぁぁ!? そこの人~! 危ないどいて~ッ!!」
「え? 人!? だ、誰!? ドコ!?」
そう、人の声が聞こえてきたのだ! しかも、吹き出しの字幕つきで。
高音でやや活発そうな女の子の声だ。見渡しても姿が見えないのでどこから聞こえてくるのか分からないけど、なにやらこちらに危険をうったえているようだ。
「わあぁぁぁ!? うしろの上! どいて! ぶつかる~ッ!!」
「え!? うしろ? 上? それって――うわぁぁっと!?」
うしろと言われて振り返るも、ほんの一瞬人影がみえたと思ったら、視界が真っ暗になり、それと同時にすごい勢いでハリのある柔らかい何かがぶつかってきて地面におもいっきり押し倒された。
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