第2話 【はじめに】

 まず、私がどのように探検家を志すようになったかについて書き始めようと思う。私は元々ピッツァ職人だった。私の地元の名物であるピッツァを仕事にしようと思い、町でそこそこ名の知れた店に面接を受けた。勿論合格し、それから私は腕をめきめき上達させていった。その内、オーナーを任されるようになった頃の事だ。毎日賑わう店の中に、遠い町から来る客がいた。その客は珍しいモノ好きで、新しい話を仕入れては他の客に話していた。その客が、帰り際に私に話をしてきた。

「君、知っているかい?その顔じゃ知らないだろうね。なんでも、つい1カ月ほど前の話だが、ある探検家が古代遺跡を発掘したらしい。そこまではよかったんだが、なんでも、その探検家はその遺跡に入ったっきり、帰って来ないそうだよ。怖い話だろう?君も気をつけたまえよ」

私はこの話を聞いたとき、はじめは本当か疑わしく思っていた。但し、日を重ねるにつれて、その探検家の話が興味深くなっていった。そして、ある日、決心した。私もこの目で確かめるため、探検家になること。それから私は優秀な弟子に店を任せ、古代遺跡へと足を運んだのだった。

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