第6話 純心、故に 2


踏み躙られた純粋など場末に置き去りにすべき事。

俄にわかに触れる悪戯な想いなど言葉にすべからず。

 

 三度目は休暇を挟み月曜日でした。西村は私を見るなり「すまぬすまぬ」と笑いを潰した顔をするのです。手招きをされ「もっと近くへ」と言うものですから、怪訝ながらも近づく私に指を差し出し「宮乃くん、嗅いでみい」何ぞと思いましたが、嗅いでみましたところ、何の臭気か分からずも私の雄が涎を垂らすのです。


「今朝方、僕は腹をくだしまして。翠に処方を頂いた折、ついついの悪戯に弄ってしまったのだよ」


「彼奴も好きものか?強請る強請る。あゝなんという」


「貴様、何をしたというのだ」


 私は手元の鉛筆を喉元に突刺したのです。


 自らの手錠に冷たさを覚え淡々と調べを受けたのでした。








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