第4話 仲間たちとの出会い
瞼をゆっくり開く。
まばゆい光がさしてきた。
「ここは…。」
「お目覚めでしょうか、唯様。」
眩い光の中、目を覚まし開けばメイド姿の女の人が立っていた。
「あなたは?」
「申し遅れました。わたくしは唯様専属のメイドのソフィーでございます。」
…。
「混乱されるのはわかります。昨日の今日なので。
あの方にも事情はお聞きしております。
わたくしはあなた様のお手伝いに参りました。」
(あの方…。あ!昨日の!夢じゃなかったのか。)
「あ、あの。この世界って天国か地獄かどっちなんですか?」
あほな質問をしてしまった。
「天国でも地獄でもありません。自分次第で変えていける、いわゆる“無”の世界ですね。」
無の世界…。
「昨日あ、あの方が言っていた通りにわたしは元の世界に戻れるのでしょうか?」
「もちろん!この世界のルールに従い、あの方が決めたミッションに成功すれば、ですけどもね。」
「しかし。」
しかし?
「そのみすぼらしい恰好であの方の前では立てませんね。そのうえ、今日は“仲間”の方たちもいらっしゃるみたいなので。さあ、着替えましょう!」
無理やり着ていたものをはがされ、綺麗なドレスみたいなものに着替えさせられた。
「さあ!宴の始まりです!」
無理やり連れていかれた部屋はとても高価なものばかりで王族みたいな部屋だった。
そこには、あの方とジャックとその他に四人いた。
「ようこそ。おはようと言ったほうがいいのかな。昨日はすまないね。驚かせてしまったのだろうけど。」
あの方が続けて言った。
「昨日も話したよね。横にいるのが君の欲しがっていた“仲間”だ。
紹介を頼むよ。」
見ると四人中三人が男の人だった。
「では、一番左から」
ジャックが言った。
一番左の人は背が高くて目がクリクリしてて黒髪で、見た目年上そうな人だった。
「初めまして!ヒロって言います!一応こんなかで一番年上でやらせてもうてます!
よろしくね!唯ちゃん!」
(この人関西弁だ!ってことは日本人か!)
あの方と言いジャックと言いソフィーと言い全員?日本人じゃないから少しほっとした。
次の二番目の人は見た目外国人でシンプルにイケメンだ!この人も背が高い!多分一番!
「初めまして!唯ちゃ~ん♡俺ジョニー!カッコいいからって俺に惚れないでね~♡」
(ちょっとめんどくさい人!?でも日本語流暢だな。)
次の人は一見小さい人だけど一番イケメンかも!(そんなにイケメンには興味はない)すごい整った顔してるなあ。この人も日本人だ!
「初めまして!ユタって言います!新人だからって俺らの足引っ張んじゃねーぞ!」
(なんか体育会系?全然見た目と違う!)
で最後、唯一の女性の方。見た目ケバい、なんかわたしと合いそうにないなあ。
「初めまして。ハルって言います。よろしく。」
「おい!もっとハキハキしろよ!新しい仲間だろ!」
ユタが言った。
「と、いうわけで唯ちゃん。最後に自己紹介を。」
「あ、はい!わたしは唯って言います。よろしくお願いします。」
「よし!これで5人そろった!これから宴だー!!」
訳の分からない世界で訳の分からないまま訳の分からない人たちと、宴が始まった。
最悪だ…。
SPYなやつら @charm1091
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