第3話 あの方との出会い
とても狭いまっしろな長い廊下が現れ、あれよあれよという間に引っ張られ一つのドアにたどり着いた。
そのドアだけ真っ黒で鍵で施錠されている。
ジャックはそのカギを外して「ここがあの方の部屋になります。失礼いたします。」
とドアが開いた。
そのドアの向こうは見たこともない真っ黒な部屋だった。
その部屋の向こうに人が立っていた。
いや、でも何かおかしい。
その人がこちらを向くと仮面をつけていた。
肩にはカラスが止まってて大柄で、少し怖い。
(何?この人?)
するとその人はわたしに向いて話し始めた。
「ようこそ。こちらの世界へ。
唯さん。君がこの世界にこれたのは光栄なことだ。喜びなさい。」
(何なの、この人。私の名前も知ってるし、上からじゃない?)
「君にはこの世界に課せられたミッションを行ってもらう。
何、難しいことじゃない。君が欲しがっていた仲間も用意する。」
意味が分からなかった。ミッション?仲間?
何が何だか…。
でもわたしは死んだんだ。
もうなんでもいいわ。
「なんですか?ミッションって?」
「君にはわが世界が誇るSPYになってもらいたい。
安心しろ。一人ではない。仲間も用意する。彼らはまだ未熟だがいずれ有能になるだろうやつらだ。私が保証する」
(SPY?何かの漫画の読みすぎじゃない?この人。変すぎる)
「ごめんなさい!訳が分からないです!まず私が死んだのも理解出来てないし!」
それではこれを。
変な人(あの方のこと)はわたしにナイフを突きつけてきた。
「何すんの!!」
「じっとしていて…」
私の腕に刃物を立てそのまま引いた。
当たり前のように血は流れたが、あっという間に血も傷もなくなった。
「死んだ君は今は不死身状態だ。わたしがブスブス刺しても血も傷も残らない。
これがきみが亡くなった証拠だ。」
声も出せなかった。痛みも感じなかったからだ。
本当に死んだのか。まだ半信半疑だが…。
「ミッションを成功したらどうなるんですか?わたしは」
「何だってしていいよ。この世界で生きていいしこの際元の世界に戻っていい。
ただし、その場合は自分じゃなくなるけどね。」
どういうことだろう…わからないことだらけだ。
「よし!こうなったら明日は仲間も決起集合だ!
明日の夜は宴だ!楽しみだぞ~!」
あれよあれよという間に流れる話についていけず、少し疲れた。
するとジャックが「あの方は自由な方なので追いつけないこともあるかもしれませんが悪い人ではないのでご心配なさらず…
今日は疲れたのではないですか?お部屋も用意しているのでご無理なさらず今日は休んでください。」
「頭がついていきません。休ませていただきます。」
怒涛なこの世界の一日が終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます