第3話

やあ、久し振りだね。

ずっと君を探していたんだ。

君のことは忘れたことがないよ。

最初は、一番仲良しだったのに小さなことがきっかけで君は僕をいじめる側に

まわったね。

あの時の僕の気持ち分かる?

すごく悲しかったんだよ。

何度も謝ったのに結局君は許してくれなくて

いじめ続けたね。

僕はね、何回も何回も泣いてどうして

こうなってしまったのか考えてばかり

いたんだ。

今だってそうだ、あの時喧嘩なんかしてなかったら仲のいい友達のままでいられたのに

ってずっと思ってた。

ところで

「君の大切な人はだーれ?」

目の前の縛られた彼に尋ねる。

彼は黙ったまま悔しそうな顔でこちらを見ている。

もう一度聞くよ。

「君の大切な人はだーれ?」

答えないのならこちらの好きなようにやらせてもらう。

「ねえ、そこにいる彼女さん、彼には大切な人はいないらしいんだ」

鎖に巻かれて宙吊りにされている女性へ声をかけた。

彼女は泣きながら足をバタつかせている。

ここは色んな機械が置かれている工場だ。

僕はある機械のスイッチを入れた。

そして宙吊りになっている彼女がその機械へ降りてくるようにもう一つのスイッチを

押す。

「おい!やめろ!」


「君には大切な人はいないんだろ?」

彼女はどんどん下がってきて大きな丸い刃

がいくつも回転している機械へと近づいて

いく。

「彼女は俺の大切な人だ!」


「この人は君の大切な人なんだね」

僕は彼女が下降する速度を上げた。

いくつもの刃が彼女の足を巻き込み

細切れにしていく。

彼と彼女の叫び声を聞き僕は笑顔で彼女の

飛び散っている血や肉片を体中に浴びて

いた。

彼女が完全に消えていなくなったあと、

激しく泣いている彼を尻目に僕はそこら中に落ちている彼女だった“モノ”を拾って

ビニール袋に入れ彼に差し出した。

「君の大切な人だよ」

いつまでも大事にしてあげてね。



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