第4話

君の大切な人の“欠片かけら”とともに僕達は小さな部屋で過ごしたね。

彼女が機械に飲み込まれていく映像を何度も見ながら彼女のことを君に喋らせた。

僕は、いくつもある“欠片”を透明なビニール袋に小分けして綺麗に伸ばし、額縁におさめて絵画として飾った。

他のもドアマットにしたり、クッションにしてみたり色々と使えたね。

そしてテーブルに彼女の欠片を置いて

一緒に食事し、彼の大切な人とともに

幾日も生活した。

楽しい思い出、結婚しようとしていたこと

色々話してくれたね。

でも、君の話し方は少しおかしいよ。

結婚しようとしていた、楽しい思い出…

君の大切な人はね、ここにいるんだよ。

一緒に出かけて新しい思い出を作るといい。

今だって結婚してるようなものじゃないか。

一緒に食事をして、寝るときだって彼女は

そばにいるよ?

そうだろ?そうだよな?

「ほら、よく見てみろよ。

君の大切な人はずっとそばにいる」

彼は廃人のようなうつろな目で“彼女”を見て

いる。

僕は彼に質問する

「なあ、生きるのは辛いか?」


「……ああ、そうだな」


「僕も昔、仲がよかった友達にいじめられてて本当に悲しかった。

あの時は生きるのが辛かったな」

彼はこちらを見た。

「そうか…すまなかった…」


「なあ、生きるのって辛いよな?」



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