第16話

俺はジャンプして、軽々と巨人の頭に飛び乗る。そのまま俺は晏子に指示を仰ぐ。


「次は!どう!したら!いいんだよ!」


巨人の手から避けるように言う。


白「待ってて、巨人の髪でもいじってて!」


紅「オーケー!」


次は、髪の毛の束を掴むと、巨人が暴れだし、ヘッドバンキングのように頭を上下左右前後に振り回す。


紅「誰か~、助けてくれ~」


か弱い声が晏子の耳に届く。すると、上空に立っている男、成宮が応答した。


成「中央位置決定完了。エリア限定を行う」


左耳から成宮の声がする。


紅「早くしてくれ~、もう持たねぇぞ~」


語尾が強くなる。それほどまでに巨人が暴れてるのだ。


すると、今まで気を引いていた水無月がきょじんの右肩に飛び乗った。


水「もう安心よ、これから私も参戦するわ」


心強い声が聞こえた。


紅「おっ!おう!助かる!俺は一旦コイツから離れるわ!」


そう言って、巨人の頭から飛び降り、壊れた3階の瓦礫に飛び移った。


巨「ウォオオオオオオオオオオ!!!!」


巨人は俺を目標に定め、3階にいる俺に目掛けてパンチを繰り出す。


ドカッーーーーーン!!!!!


それを避けて突き出た巨人の左手に飛び移り、巨人の左ほほを思いっきりパンチした。すると、巨人はよろけて、同時に水無月が持っている刀で巨人の両ひざを峰打ちをし、巨人は病院の駐車場中央辺りに尻餅をついた。


巨人が混乱している最中、晏子から連絡が来た。


「巨人が立ち上がる瞬間に修身は巨人の顎にアッパー食らわしてやって!」


脳内から声がしている。晏子の能力なのだろうか。とりあえず晏子に返事をする。


「了解!」


そう叫ぶと、俺にずっと付いていた1匹のカラスが飛んでいった。

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