第6話

大宮駅のホーム内のコンビニで焼きそばパンとメロンパンを買って、ビニール袋に片手に思っていたコーヒーミルクのペットボトルを突っ込む。


イグニスマップのナビによると、大宮駅東口のロータリーの9番に来るバスにのるように指示されているが、俺はバス代をメシ代に使ってしまったので、歩いて目的地に行くことにした。


プラプラと周りを見て大宮駅周辺のビル群に目が行く。こんなに栄えてたんだなと思いながらメロンパンを取り出しおもむろに報張る。


甘い。


んー甘ったるすぎるな。


そう思い、そのメロンパンをビニール袋にしまい、焼きそばパンを食べるためのベンチを探す。


あった。


ロータリーのビルの前の入り口前の区画にベンチがあったので、奥のベンチの左側を陣取る。


焼きそばパンをほおばると、焼きそばのおいしさに感激して「ウマッ!!!」と思わず声に出してしまい、顔をうつむける。


俺は、いつも味の薄いもの口にしないようにしている。


目的はいのりのため。


いのりを生かすために自分が健康でなくてはいけないとわかっているからだ。


でもいいよな、ちょっとぐらいのご褒美があっても。


焼きそばパンを夢中にむさぼり、左手に持っていたコーヒーミルクを飲み干した。


「さて、仕事仕事」


そうつぶやいて、早足で大通りに向かって走り出した。

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