45.どんな趣味でも受け入れてくれる友達は大切なものだ。
「魅力的な……提案だぁ?」
「そうだ。そこに座っている
それを聞いた小此木がびくっとなる。ちなみに、今の一色触発の流れに対しては、驚く……というよりもビビッて何も出来ていなかった。これくらいで動けなくなっちゃうんじゃやっぱり委員長は難しい気がするけどな。ある程度胆力もないと。
なお、本来止めに入るべきであるはずの
「小此木
突然話を振られた小此木はかなり動揺しながらも、
「え、え、あ、う、うん。馬鹿にしたりなんかしないよ」
俺は更に続ける。
「小路。確かに最上は人を引き付ける力はある。だが、あいつはお前を対等に扱わない。アイツの話を笑って聞かなければ一気に不機嫌になるが、お前の話は下手をすれば馬鹿にする。そんな相手よりも、包容力溢れる委員長と付き合いを持つ方がいいとは思わないか?」
小路は俺から手を放し、
「で、でも、そんなことしたら、最上は不機嫌に……」
「なったところでどうにもならないようにすればいい。言っただろう。えっと……」
「
「……は、あくまで最上がすり寄っておけば良さそうに見えるから近づいてるだけだと。お前が最上はそんなに絶対的じゃない。小路とそこまで力関係が変わらないんんじゃないかというところを見せれば、堺田の態度も変わってくる。そうでなくとも、お前と最上が対立してる面倒な状況なら、あいつはすり寄る相手をあっさり変える。後は、今までの一か月余りが無かったかのように、小此木と仲良くすればいい。なんだったら、司……二見でもいい。幼馴染の俺が言うのもなんだが、アイツが人を嫌ったり、人の趣味に対して引いたりするのは正直、想像が出来んしな」
「…………」
俺は小路との距離を詰め、耳元で囁くように、
「大丈夫だ。最上を打ち倒すアドバイスは俺がする。あの程度の輩、大したことではない。しかも、株が上がるのは俺じゃない。お前だ。お前はただ、そんな上手い話に乗っておけばいいんだよ。嫌ならすぐにやめればいい。簡単なことだ。いざとなったら隠善先生に告げ口してくれていい。それでも駄目か?」
「あ……それ……は……」
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