第25話 ヴォルフコルデー
「やべぇな……」
「でしょ?」
ラスターの
このコロニー最高のReX……のことではない。
パルストランスシステム――これにより、手を
未だ
赤外線リモコンで操作できるのは、赤外線で操作できるように予め
決して、
しかも、本人の弁によれば、
(ヤベェな……)
センスと思考と行動力が一級品といったレベルでイカれている。
こんなチンケな倉庫だからこそのお試しセットなのか、それとも……
「ここよ!」
ラスターが
「どう?」
「どうって言われてもなぁ……」
本音を言っていいなら、乗りたくないなぁ。としか言えない。
「
カンラギの質問に、小さく息を
「別に……」
懐かしいなんて思うはずがなく、つい素っ気なく言い返す。
先程まで乗っていた機体とは明らかに
全長が20mにまで届くかと思えるほど大きく、
「これ、
くだらない感傷に
「まぁね。わかるものなの?」
「どこを改造したかまではわからないけど」
そもそも、このReX最大の
そして、その中身にしてもここまでスリムではなかったはず……か?
「内装自体はあまり変えてないわ――ヘッジハームは付けてないけど、代わりの武装はちゃんと用意してるから」
「それなら構わんが」
切り込み隊長として、
鎧の回収ができないことが多く、コストパフォーマンスが非常に悪いのだが、それでもワームビーストに立ち向かう勇気が学べる――らしい。
ラスターにはよくわからない感覚なのだが、これはラスターが
「しかし、よく直そうと思ったな……」
よりにもよって、スペックを限界ギリギリまで引き上げたせいで、乗れる人がいないのはもはや努力の方向性を間違えている。
「次は……
「乗れないから、死なない的な?」
「違うわよ! ……結果的にそうなったけど」
真面目な話を茶化すラスターに、カンラギは声を上げるが、その後にボソボソと言い訳をしていく。
「だって良くしたのなら……良くなるはずでしょ?」
「スペックの高い部品だけを集めて、パソコンを組み立てたところで……」
「ごめん、全部私が悪いからやめて!」
部品同士に相性というものがあるように、人間にもある――性能は高ければ良いというわけではない。
とはいえ、
「でも! これなら、
「問題ないだろ。もし無理なら、役立たずとガラクタがまとめてスクラップになるだけだ」
「っ……そ、そうね。でも、そうならないことを
「時間はいいのか?」
カンラギはキョトンとした様子の後、意味を理解して
「作戦予定時間まで、一時間半といったところね」
ここに来てから、
「ラスター=ブレイズ――いえ、夜明けの
「我々と協力して、強敵――
「断る」
「ありがとう……はっ?」
真剣な表情から一転、
「えっ? な、なんで……」
信じられないとばかりに目を見開き、
「それと、これに乗るには条件がある」
「えっ? えぇ、もちろん! 必要なことがあれば、こちらで用意するわ!」
言いたいことを好き勝手に言うラスターの全く
「条件だが――」
ラスターが出した条件を出し、それをカンラギの顔には
準備を終え、
「
「大丈夫、大丈夫。かっこいいわよ!」
「そういう意味で大丈夫か聞いたわけじゃないが……」
ラスターの出した機体に乗る条件――その一つは正体がバレないことであった。
そのための変装ととして、ウェーブのかかった
口元を
そんな
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