第13話 ブリュンセル
「いたことないわよ」
「えっ? ほんと!?」
あっさりと告げられる想像していないオチに
気になる事と言われて、告白の光景が思い
「それは……意外でした」
てっきり
「はぁ……まぁいいわ。そう思われるのは慣れてるし」
ふんっと少しばかり不
――
ふと、思い浮かんだ疑問を口に出すのはやめる。まかり
「えっと……他にも
くだらない質問をしてしまった事を
「これは……」
恋愛脳に
「
知らない男の解説なら困ってしまうが、知っている機体ならば答えられる。
「この
「わかります? 六世代型量産機だったこれを我々が第七世代のエース仕様へと改造したんですよ!」
「七世代?」
「えぇ、元の六世代型と違い
エネルギーコアにあるエネルギーを直接! 使うことが可能なんで、すぐに戦場へと
「へー……」
必要も興味もない説明に、ラスターは
ワームビーストのエネルギーコアから取り出した生体電流は、運用しやすいように一度
しかし、ReXは七世代型からは機体側で直接
もっとも、ビーム兵器は電気エネルギーを変換して打ち出しているが、現在ではワームビーストから取り出したエネルギーを直接
「ちなみにOSが世代ごとに分かれていないのは何故だか知ってますか?」
「えっ……あぁ、まぁ」
作られた機体はコロニー毎にどうしても差異は出るが、協力がしやすいOSに関しては、ネットを
もっとも、最新であれば使い手にとって、いかなる時も最高というわけではなく、わざと古いOSを入れたり、エースなどであれば専用のOSを使っていたりする。
「技術革新のためとはいえ、他のコロニーとの差をなくすべく――」
熱い口調で、何故
――やばい、会話に
うろ覚えの過去の
幸いな事に、相手は言いたいことだけ言うタイプであると察したラスターは、完全にスルーの構えを取った。
「はは……ここにあるのって基本的に五世代や四世代の者が多い中、すごいんですね」
心にもないことをいいながら、話が通じるカンラギ副会長へと話題を
「――この機体知ってるの?」
「ん?」
「この機体を知っていたの?」
「えぇ……まぁ」
探るような目つきで聞かれたラスターは、雑音に気を取られながら適当に首を振る。
「もしかして、君ってトリヴァス出身?」
「あー、暮らしてた事ならあります」
「そう……じゃあ、こいつは知ってる?」
カンラギは
ベラベラと未だうんちくを
「いえ、初めて見ました」
「かなりの実力者よ。確かビー……なんかに選ばれたとか」
「ビーサル?」
「そうそう! それそれ」
「へー……でも、それじゃあ、ちょっと知らなくてもしょうがないと言うか、なんというか……」
ビーサル――であれば強いと言うのとは確実に違う。
トリヴァスにおいて、最強の十人としての栄光に
ブリュンセルによって、選ぶ基準が人それぞれであるため、本当に強い者もいれば、ただ顔が良いってだけの場合もあるのでなんとも言えない。
「確か
「一番強い?」
トリヴァスで一番強いと言えば――
「ユードリッヒのビーサルなんです?」
「そうそう……そちらはちゃんと知ってるのね」
「まぁ……」
ユードリッヒ=マイザン――
基本的に無口で、日々
弟子や部下を取ることを関してはあまり
弟子になろうとしても、適当に選ばれるわけではないので、彼に選ばれたとなれば、それなりに実力は秘めているのであろう。
「強いんですね」
「えぇ……強かったわ……」
どこか
「今は何を?」
「……死んだわ」
「あー、そうですか」
会話選びを完全にしくじってしまったラスターは苦々しい顔をする。
「そうよ……あんな強い人でも、簡単に死んでしまう」
カンラギは悲しそうに言うと、ラスターの
「そうはならないようにみんな全力で
少し冷たくて、こそばゆい指――不安に
「生き延びる事を考えなさい――そうすれば……
申し訳なさそうにカンラギ副会長が言う。
どこまで介入したかは不明だが、不自然なまでの作戦への参加の流れは、人の意思を感じざるおえない。
それでも――
「
頬に触れる手を
手を掴んで意思を伝えているのか――それとも美人の指に自分の指を
「ちなみにここには八世代までしかありませんが、ReXは何世代まであると思いますか?」
「……十世代」
カンラギとの甘やかな時間を過ごす間、めげる事なくコロコロと話題を変えながら話していた男が質問してくる。
「正解は十一世代ですよ! 半年前に開発に成功しており、それによって――」
「では、お
ありがたい薀蓄を垂れ流す男には目もくれず、カンラギだけに向かって手を振るとそそくさと
「意外と時間は
時計を見ながら、パーティーとやらの時間を思い出す。
今から行っても間に合うが――寄り道をするぐらいの時間もある。
「頑張って……か」
ありふれた言葉だし、誰にでも言っているのであろうが、そんな言葉をこれほどまでに
このコロニーでNo.2、生徒会副会長として上に立つ者としてのカリスマ性。
「まっ、やれることだけやっときますか」
そうしてラスターは――パーティーに少し
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