第3話 迷い

 変わる天気予報や天気図を眺めながら一週間を過ごして前日、いい天気予報とは言えないが登れない天気ではなさそうだという印象。


 比較的冬の天気が安定している南アルプスと言っても、冬山で天気のいいときはまれだ。

 土日以外休みにくい会社員にとっては登れるときに登らないと登るときなど退職してからになる。


 登山を始めて数年が経った。

 富士山は4ルートで登頂したし、国内標高3位の穂高岳も何度も登っているし、モンブランにも行ったが標高2位の北岳は冬に限らず未だに登っていない。

 と言うのも僕は岐阜に住んでおり、北アルプスや中央アルプスに比べて南アルプスは少々遠い。

 山は北アルプスが魅力的に感じてしまい、南アルプスは後回しにしてしまっていた。

 初登頂が冬ってのも面白いかなと。


 やはり他の仲間は都合で参加出来ず、ミユと二人で登ることとなった。

 二人だけで登るのは今回が初めてで楽しみでもあったが、前日ミユからメッセージが来る。


{天気怪しいけどどうする?

 私は鳳凰三山でもいいけど}


「・・・」


 今頃になって何を言っているんだ。

{鳳凰三山は年末に行ったことあって、ひたすら歩くだけなのでもういいです。

 登頂できるかわからないけど下見だと思って行けるとこまで行きましょう}


{了解}


{夜叉神駐車場6時出発で行きましょう}

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