第2話 きっかけ

 一週間前。

 SNSのやりとり。

 始まりはミユのメッセージからだった。


{誰か北岳行かない?}


「北岳か」


 ミユとはモンブラン登頂ツアーで知り会った。

 その時一緒に登った仲間でたまに登山をしていて、八ヶ岳の山小屋で新年会をした時にミユが北岳の話をしていたのを思い出した。


 その時は調べてみないと行けるかわからないと返事を保留しておいたのだが、早速返事の催促が来たところによると、よほど行きたいんだなと思った。


 以前、鳳凰三山のツアーに参加したときの山岳ガイドさんが北岳も企画していると言うことで話を聞いたのだが、当時冬山初心者の僕でも参加できると。

 そこまで難しいところはなく体力勝負なので若い人に来てもらえると助かるかも知れないと言うことを聞いていた。


 アラフォーの僕だが山の世界では若い方に属する。

 山では初心を感じることが出来る。


 地図や山のSNSを調べて、テント一泊で行けそうだと思った。


{次の土日空いてます}

{私も空いてる。他に行く人居る?}

{今回は行けません}

{天気良ければ今回はサトルと二人で行こうか}

{了解です}

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る