3話 地球

 ゴォーという轟音を轟かせながら宇宙船が着陸する。

 着陸したのは緑色の草が生い茂る草原だった。周囲には特に何もなく、平和的だった。

「ウディ、地球に関しての情報はあるか?」

「……ここはどうやら日本という国のようです。また、この星では現在西暦2070年とあります。」

「レオはなにか知ってるか?」

「いや、知らんな」

「そうか…」

 日本という国がどんなものかはわからないが、少なくともこの周りに建物はない。いや、逆に言えば建物がない高度な文明のない国なのではないか?

 俺達は歩きはじめた。ここからどれくらい歩けばナズナが見つかるのだろうか。ラナさんが白い花のようなものが大量についていると言っていたが…。

 そこから数キロ歩いたと思われるころ、「人間」という種族のお年寄りがぽつりと立っていた。俺達は翻訳装置を起動し話しかけた。

「すみません」

「ん…、なんでしょう…?」

 この国の言語ですら少しカタコトになっている。

「ナズナという植物を探しでまして…」

「え、というかあなたたちどちらさまで?」

 当然なことを聞かれてしまった。正直にミゴニア人というべきなのだろうか。

「私達はミゴニアという星から来たものです」

 ウディが言ってしまった。うわぁと思う気持ちを抑え、お年寄の反応を待つ。

「宇宙人…、通報しないと…」

 お年寄りはなにかの機械を使って何かを始めた。「通報」とは何かがわからない。

 その後すぐに空中からなにかの音…とても耳障りな何かが聞こえてきた。

「こちら日本防衛軍宇宙人課!今すぐ投降しろ!ミゴニア星人ども!」

「フィル!なんだあいつらは!」

「俺か知るか!」

「お二人共、逃げるべきなのでは?」

 ウディの発言を聞き、俺達は一目散に逃げ出した。背後からは大量の光線銃の銃弾が飛んでくる。俺たちには運良くすれすれで当たらない。だがいつ当たってしまうかもわからない。

「あそこに建物がありますよ」

「逃げこめ!」


 俺達は建物の中に逃げ込んだ。建物はツタが生い茂り、とても廃れていた。見たところ3.40年は手入れされていない。こんな所に隠れられるだろうか。

「ウディ、頼みがある」

「なんでしょう?」

「このままじゃナズナを見つけることも叶わない。何分かかってもいい。ナズナの情報を集めてくれ」

「分かりました」

 ウディは「検索開始」とだけ言い残すと、物陰で止まり機械音を鳴らし始めた。

 俺たちはウディが検索しているあいだ、奴らを止めとておかなければならない。どうしたものか。

「大人しく出てこい!ミゴニア星人共!」

 もう外から声が聞こえてきた。俺たちはあいつらからしたら宇宙人なため、危害を加えればミゴニア全体の印象が落ち、下手をすれば宇宙戦争になってしまう。どうしたものか。

「なあ、フィル。いいこと思いついたんだが」

「何だ?」

 そこでレオが提案してきたのは、とても簡単で、とても単調で、バレやすく、ショボイ作戦だった。

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