第4話 節電は、エアコン、扇風機、カーテンの使い方にコツがあるんだよ?

 節電の神様による節電話が、はじまった。

 「節電は…」

 「はあ」

 「はい」

 「暖房の使い方に、コツがあるのです」

 「あら、まあ」

 「へえ」

 「扇風機を、上手く、使いましょう」

 「扇風機!」

 冬でも、扇風機を使うことが、オススメという。

 「エアコンのあたたかい空気は、ですね」

 「はい、はい」

 「…ミカン、食べますか?」

 「娘さん?お気遣いなく」

 「そうですか?」

 「神様は、他人の家から、物をもらうことができないのですよ」

 「そうですか…。神様って、今どきの家庭訪問の、今どきの学校の先生みたいなんですねえ」

 「今どきの、学校の先生?」

 「え、何です?」

 「ああいうのと、一緒にしないでください!」

 「すみません」

 なぜか、怒られてしまった。

 エアコンの使い方に、注意。風向きを下に設定しても、結局、あたたかい空気は、部屋の天井あたりにたまってしまうんだとか。

 そこで、扇風機を使って、空気をまぜる。これで、天井付近のあたたかい空気が、下りてくるようになる。

 これ、おばかさんカップル。

 「ねえ?」

 「何だい?」

 「足、寒くない?」

 「エアコンの設定温度だけ、変えようか?」

 「私、やる!」

 「いや。俺が、やるよ」

 「…やさしいのね」

 こら、こら。

 設定温度を変えるだけっていうのは、電気代にも地球にも、やさしいことじゃないらしい。扇風機で、部屋の空気をまぜたほうが、良いんだってさ!

 窓にも、注意。

 冬場、部屋の外に逃げていくあたたかい空気は、ほぼほぼ、窓かららしい。

 「そのあたたかさを、逃がさずに」

「どうすれば、良いのですか?」

 「教えてください、神様!」

「ホームセンターなどで売っている、断熱シートを使うのです」

 神様によれば、他にも、部屋の窓を開けることが大切だという。

 「寒ければ、カーテンを、閉める」

 それが当たり前なのかと、思っていたのに…?

 「ああ、美味い。もう一杯、茶を、いただけますか?」

 「…わかりました」

 「母さん?座ってて。あたしが、淹れるから」





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