第39話 呑み込む

性具の先端を、中に潜り込ませようとしても、容易には入っていかない。


それもそのはず。ここは本来、そういう使い方をする場所ではない。


世話を焼く飼い主に求愛しているだけなら、目を覚ましてやるべきなのか。


それでも、狭い窄まりは、香油の力も借り、何とか異物を受け入れていく。


シユは固く目を瞑り、足の指先を縮こめて、耐えている。


「子馬は元…」

「元気」


質問の途中で、答えが返って来た。気晴らしは不要のようだ。


ギヨウは、手のひらで性具を押さえ込みながら、腕を回し、シユを抱き上げる。


そして、近くの長椅子に腰をかけると、向き合う形で跨らせた。


少しはラクになるかと思ったが、逆効果だったかも知れない。


後孔は、裂けそうなほど張り詰めているのが分かる。


性具はそこまで太さはないが、材質が硬いから、受け入れ難いのだ。


「痛いか?」

親指で、シユの目の端に溜まっている涙を拭い取る。


シユは答える代わりに、顔を胸に埋めて来た。


伽の間だけは、従順だ。仕草がいちいち可愛くて、子供みたいだ。


ギヨウは、ほんの少しずつ、性具を押し込んでゆく。


「…ん」

それに気づいたようで、シユが助けを求めるかのように、ひしとしがみついて来た。


最初は短い時間入れて、段々と時間を延ばし、慣れさせていくものらしい。


シユの頭頂部に顔をうずめて、ギヨウは深呼吸をする。


こんな姿を見せられると、愛おしさが込み上げて、自制心を保つのも大変だ。

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