第38話 指戯

男の人差し指が、奥の方まで、一気に押し入って来る。


シユは首をひねり、背後にいる男の方へ、視線を向けた。


なぜだか、機嫌が悪くて、目を合わせてくれない。


いつまでも、性具を飲み込めないから、怒っているのだろうか。


今夜は入るまで、終わらないかも知れない。

視線の先には、あの箱が置かれている。


気持ち良い場所を擦り上げられて、シユは喘ぎ声を上げそうになる。


ただ、少し物足りない。いつもは、同時に前も触ってくれるのに、今日はそれがない。


しばらくして、指が抜けていき、その後、体位を変えられる。


仰向けに寝させられて、片方の太ももだけ、腹につくほど、持ち上げられた。


中心を覗き込むように見ている。出血していないか、確かめているのだ。


少しして、二本の指が後孔にゆっくりと侵入して来た。


今日が初めてではないが、この痛みにはまだ慣れない。


それに、この体勢は余計に痛い気がする。

察したのか、男が言った。

「自分で足を抱えろ」


嫌だと言いたいが、我慢する。自分の膝裏に両手を回して、足を開く。


時々させられるが、この格好は、相当、恥ずかしい。


自ら進んで、尻穴を曝け出して、虐めてくださいと、言っているみたいだからだ。


だが、羞恥心とは裏腹に、興奮は一層、高まって来る。


二本の指に慣れて来た頃、男が箱に手を伸ばすのが見えた。


正直、怖い。でも、体を繋ぐためには、受け入れるしかない。

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