キャンプがくれるもの

ねむ

第1話 はじめての

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「あのさ! 絶対、 またいつかどこかで会えるかな。」 「うん。 会えるよ。きっと。」 「じゃあさ、約束しようよ!」 「「必ずどこかで会えたら、 また………

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ある金曜日の朝


「ふぁあ~・・・」 眠い。 けど、 何か懐かしい夢を見た気がした。 それがどこで、誰と一緒だったかは一切わからないが、 何か大事な夢だったってことは分かる。 それよりも今日という日をとても待ち侘びていた。

僕は未ヶ丘高校2年。 ごく普通の学生だ。 そしてごく普通のソロキャンパーである。 特にキャンプ飯は何よりも好きだ。 これ以上のものなんてどこにも存在しないと思う! そして今日、 僕は1泊2日のはじめてのソロ以外のキャンプをする! 誰とかって? それは 後で教えようっ。 とりあえず、 朝ごはんを食べ学校へ行く。


今日は午前授業 。授業の間もワクワクでキャンプの妄想が止まらなかった。 (これで今日の授業は最後。 向こうについたら何しよう。 テントをたてたら、飯かな?リゾットにでもしようか。 うーん、 それとも定番のカレーかな。 何作ったら喜んでくれるかな。 迷うな。あれもいいし、これもいいし…)


「聞いてますか!?」 先生の怒鳴った声がきこえた。

「ひ、ひゃい!!」 僕は驚き、 変な声で返事をしてしまった。 クラスメイトたちががクスクスと笑う。

「もう、いつもいつも、しっかりしてください。 何度呼んだことか。 帰りのST後私のと ころに来なさい。」

ものすごい怒った表情で先生は言った。 いつもそうだけど今日は特に妄想しすぎたせいか、 何回呼ばれてもなかなか気づかなかったようだ。 えぇぇー…と思いつつも僕は 「はい・・・・」と返事をした。


ST後にたんまりと説教された後僕はどんよりとした気分で帰り道を歩いていた。

「はあ。 やってしまったなあ、 持っていくキャンプセットの最終チェックをする時間がなくなってしまったよお。」

自分のしたことに毎回後悔するが、妄想を止めることなんてできない。 でもそのせいで、 成績がギリギリなのが確かだ。

でも、この後キャンプをしに行くと考えるとそんな気持ちも吹っ飛んでしまう。 約束の時間は3時半。家から約束の場所までは自転車で2時間ぐらい。なので昼飯もしっかり食べ なくてはならない。それにまだ持っていくリュックに詰めてないものも少々ある。 僕は腕 時計を確認する。

「!?やっべ!!」

なんと12時45分だった。 僕は今体力を使いすぎないようにと走らず駆け足で家へ向かった。

「はじめてのソロ以外のキャンプ、 全力で楽しんでやる!」


2話へ続く

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