有価証券の価値を複式簿記で示す

俺はアマチュア小説家のために作文を書くのはそれなりに得意だ。

これが投資講座ではなく小説であったら物語性のある作品を書く自信が

あるわけだが、それはあとで検討するとする。

もし納得のいく投資小説でも思い付いたら、この掲示板で投稿しよう。


さて。前置きはこの辺にして本題に入る。


blackさんが言っていた簿記を学ぶと言う点だが、

まず資産運用で必要になるが複式簿記の知識だ。


決算の財務を分析する時に必要なのが

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書だ。


家計の経済でも特に必要になるの貸借対照表、別名バランスシートだ。

分かりやすく言うとお金の価値を貸方と借方に仕分けるわけだ。

資産運用は、家計の経済。家計の財務活動と俺は定義している。


・株式を買った。株式の価値は貸方。つまり資産(流動性資産)だ。

  委員長が日本電産を買ったとする。 140万。

  数年後、電算の株価が半値になった。70万の含み損。


これを勘違いする人が多い。


Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン


 電算の株価が半値になったことで精神的にショックを受ける。

 その瞬間、この資産が負債に見えてしまう (´・ω・`)

 それは違う。負債とは、何らかの方法で返済が必要なものを言う。

 

例:住宅ローンの残高。車のローンの残高、クレジットローン、奨学金。

   いずれも債務の残高と定義し得るすべてのもの。


多くの投資家は、自分が負債を持ってると勘違いする。

ここでキャッシュフロー(お金の出入り)の視点で考えよう。


電算は含み損が70万円。これは時価。一方で配当を生み出す。これは現実。

優待のオルゴール抽選券がもらえる。山梨県のオルゴール館の招待券が手に入る。

以上の三つのリターン(実質的なキャッシュイン)がある上に、次の特典もある。


①株主であるために議決権がある。経営参加権がある。

➁株主総会に出席する権利がある。


何よりも重要なのは、現物で株を持ってることだ。

すなわち、次の上昇相場が来た時に乗り遅れる可能性がゼロなことを意味してる。

資産運用で恐ろしいのが、上昇に置いて行かれることだ。

この場合の機会損失は俺が最も恐れることだから積極的に買い向っている。


さてキャッシュフローの話に戻るが、配当であるキャッシュが株主の

手に渡る以上、その時価はどうであれ、その有価証券は資産である。

株価の上下がどうであれ、配当により日本の預金金利よりは多くの

キャッシュを生み出したことは決定的な事実である。


ちなみに、その株価がいずれ含み益になる見込みがあることが条件。

一生上がらないような株ではこの理論は通用しない。

ゆえに、株とはまず買う前の段階で勝ち負けは決まってると考えられる。

次に保有期間。そしてメンタルだろう。


俺が運用してる松井証券の二つの口座(日本外需株、低リスクETF)は、

株価の値上がりよりもまずキャッシュ・イン(配当)を最大化するために

運用してる。


キャッシュの最大化とは何か? それは株数を少しでも多く持つことが、

その最大の近道になる。そのためには下落相場で現金など持ってる場合ではない。

しかし素人どもは、この下落相場で買い向わずにむしろ売ってしまっている。


資産が負債になるとしたら、それは損失を確定した時だ。

売り決済とは、資産を負債に変える魔法だ。

それを優良銘柄でやるなど愚の骨頂である。


例えば母が委員長にお金を預けた一番の理由がこれだ

「株価は半値になってもいいから、配当を生み出してほしい。

 家計で必要のないこのお金から何か新しい価値を生み出してほしい」


母は株の含み損にも含み益にも関心がない。

「時価の評価額がどうしたの?」と言う。運用額が1,000万を超えたことを

報告しても「ふーん。すごいわね。でもあとですぐ下がるんでしょ?」

と言って終わりだ。もっと関心はないのか。それにしても……

含み益が増えても浮かれない、喜ばないのは投資家の究極形である。


前にも語ったが、俺は家の財産を運用するのに細心の注意を払っている。

しかし母からすれば「どうせ株価なんて不安定。何をやっても大して儲からない」

と諦めているのが皮肉だ。含み益も売却益もいらないらしい。


不思議なことに、株価の値上がりを求めてない人ほど保有期間が

伸びるゆえに含み益も次第に増えていく。むしろ短期的な利益を求めて

売買を繰り返す人ほど、負ける回数が多くトータルで損失になる。

これは株式投資200年の歴史が証明している絶対的な事実である。


母は我が家の現金をすべて管理しているが、金融資産の管理は

委員長に任せている。このように互いに管理してる分野を分けて合理化してる。


お金を渡した側は冷静で、暴落が来ても平気でお昼のNHKの朝ドラを見てる。

NHKのニュースで暴落を知っても「あー下がったんだ」で終わり。

運用してる方も冷静で暴落が来ても「さあ買うぞ」と割安銘柄を探す。


さわかみファンドで語られていることは、巧みな顧客ほどに

暴落時にスポット買い(その月の積み立て数を3倍にするなど)して

安値で買い集めるが。下手な顧客は全額引き下ろしてしまう。


これは運用側にとっては大迷惑で、顧客にお金を引き渡すためには

株式の一部を現金化せねばならず、みすみす安値で株を売ることになる。

そして損失が計上されて運用成績が下がる。


さわかみファンドは、常にこう言い続けてる。

「10年に一度のバーゲンが必ず訪れますから、その際は

 ぜひ大きく買いを入れてください。我々は最適な銘柄を買い付けします。

 その後、たとえ何年かけてでも株を含み益にして見せます。

 その際に一口でも多く買ってくださったお客様ほど資産が増えるはずです」


設定日以来、今日のさわかみファンドのリターンは【約400%】

仮に設定した1998年に投資をした人の資産は4倍に増えた。

(ただし運用手数料がかかるが。ノーロードなので買付手数料は無料)


資産増加に成功した顧客の反応

・投資巧者な老人は、その含み益を現金化して孫の大学費用にした。

・とある退職者は、老後の娯楽として高級車を買った。

・とある働き盛りの男性は、住宅ローンの残りを返済した。


投資信託(指数ETF含む)の最大のメリットは、普段は会社で全力で働きつつも、

運用をプロに任せているからIRはもちろん、経済ニュースさえ見なくていいことだ。全力で働き、余剰金を投資に回す。これは資産最大化の最適解のひとつだが、

正しい投資信託の選定眼と、途中でお金を引き出さないメンタルが必要になる。



話を戻すが、現金を大量に持つことは、資産額の変動から逃げることで

精神的な安定を得ることはできるが、株の配当や値上がりによる長期的な

リターンを放棄することになり、それは将来的な機会損失を受け入れたに等しい。


お金とは、突発的な変動支出や年間の生活に必要な分だけを残し、

余剰分を投資に回すのが鉄則とされるが、それは各家庭によって違うので

一般化することはできない。しかし、お金を何か価値のある者として運用する、

いわゆる銀行員のような発想がある人が長期投資では成功する。


ただし、正しい銘柄を正しい期間保有するだけの知見を有する投資家など、

全体の5%にも満たないのが現状だ。決算後の日本電算スレを見ればよく分かる。

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