島祭り

旅館に到着したら、旅の疲れもあって、すぐに昼寝をした。


「…………おーい

起きてくださーい。祭りの時間ですよー!」


声が聞こえて、目を開けると、そこには豪華な民族衣装?に身を包んで、長い髪を下ろした、石渡鈴香いしわたりすずかがいた。

「さあ、行きましょう」

鈴香に手を掴まれて、俺は祭りに連れていかれた。


旅館を出ると、出店が立ち並び、謎の衣装に身を包んだ人達が酔っ払ったり、奇声をあげたりしていた。


島の人々の格好を見てみると、男は全員スキンヘッド、女は極端に長いロングヘアで両極端だった。

また、民族衣装的なやつは胸が強調されており、鈴香のものはとてもでかくてドキドキしてしまう。

鈴香をはじめとした女性の尻は布で覆われておらず、尻よりも長い髪があること前提の作りになっていた。この作りは流石に大胆すぎてセクシーよりもやべぇが上回った。


しばらく歩いていくと祠のような建物にたどり着いた。

祠の前にはひょうたん型の果物が山積みにされており、横には、足元まで髪の伸びた背の低い少女が立っていた。

「梅子ちゃん、福島さん連れてきたよ」

「お主が今日の主役なのか?」

「らしいです」

「では、『さきみ』を3つ、食べるがよい」


どうやらこの山積みになってる果物が『さきみ』らしい。

俺は梅子という少女に言われるがまま、さきみにかぶりついた。

1口食べると口の中に甘みがじゅわっとひろがり、2口目、3口目とどんどん食べたくなってしまう。


さきみを1つ食べ終わると、とてつもない幸福感に包まれた。

これをあと2つも食べるなんて最高だ。


「さきみ、気に入ってくれたみたいでよかったです」

「ほれ、鈴香も1つ食べるがよい」

「いただきます。もぐもぐ……やっぱさきみ美味しい!」


さきみを食べていると、だんだん頭がふわふわしてくる。

それと同時に世界が輝いて見えて、夜なのにとても明るく感じる。

この世の全てのものが美しく感じて、遠くを見ると、そこにはおしらべさまがそびえ立つ。

ああ。これが神なんだなと理解した。

偉大な力を持った神はその噴火1つでこの島の人を皆殺しにできる。

それをしないのは神が殺したくないと思うほど、この島の人達がいい人なのだろう。

島民を見る。さきみをくれた梅子を見る。祭りに案内してくれた鈴香を見る。

ああ。分かる。彼女らは美しい。心も体も。

美しい存在とひとつになり、俺も美しくなろうと思った。

俺は鈴香の髪と腰の合間に手をやり、下へと手を滑らせていった。


「あら、さきみが回ってきたようですね……

私も……そろそろ回ってくる頃かも」


そのまま、人々が見ている中で、2人で盛り上がった。


「あらいやーーーーあまーーーへーーーー」

その最中、周りの島民達は謎の民族音楽を演奏していたが、周りのことなんてどうでもよくなるくらい気持ちよかった。

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