第2話

プロントに早めに着いた私は、コーヒーを注文して店側に向くカウンターへ座った。

足早に仕事帰りで電車に向かう人間達の姿が、振り向くと見えた。

その中に混じって、プロントの入り口近くには、待ち合わせの時間を確認したり、携帯を見直して、また打ち込む姿の人々が、吹き溜まっていた。

まだ、18時ちょっと過ぎた所だった。

アプリを開いて、「お疲れ様、私の服装は黒のワンピースに薄紫のカーディガンを着ています。早く着いたので、中でコーヒーを飲んでますね。」

携帯をテーブルに置いて、コーヒーに砂糖とミルクを一つずつ入れて、スプーンでかき混ぜていた。

「こんばんは。」爽やかな笑顔で隣のカウンターチェアーを回転させながら彼は座った。

私は少しドキドキしてしまった。

それを隠そうと、「あっ、君も何か飲む?」と急いでチェアーの向こう側に、立ったった。

「カフェ・オ・レで。」

「O.k」

カフェ・オ・レを頼んでいる時も、私の方を見て微笑んで、なんてかわいいんだろ。

あー、今日はラッキー!なんて、思いながらカフェ・オ・レを運びながら、左手で髪をかき上げて、君の方を見た。

2人で一口コーヒーを味わってから、顔を見合わせて、同時に「何食べたい?」って聞いていた。

「あははははーっ」って思わず笑ってしまった、そう彼も笑った。

「お酒は飲める方?」私が聞いた。

「ちょっとですけどね。」

「じゃあ、居酒屋にしよ!」

「いいですよー!」

なんか楽しい。本当に大当たりだ、なんて思いながら、プロントを後にして北口の階段を上がりながら、手を引いてくれた。

「早いよー。」なんてちょっとかわいい声で言ってる私って、あざといのかな。

でも、この人とは気が合うかもなんて、思っちゃった。

きっと、SEXもいいかもと、期待しながら居酒屋より、すぐにホテルに行きたい私だった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る