戦士「鉱山だけは勘弁」魔法使い「…」
戦士「鉱山は嫌だ、鉱山は嫌だ、鉱山は嫌だ」
魔法使い「なるほど、まだあの時の、下水道の借金残ってるのか。鉱山行きになるということは、ほぼ全額残ってる訳か。鉱山の仕事は事故率が極めて高い、奴隷商人ですら奴隷を鉱山に送りたがらないぐらいにはな」
戦士「助けてください、お願いします」
魔法使い「まあ、あれは災難だったな。お前は悪くない、むしろ被害者側の様なものだったからな。……手っ取り早く稼ぐ方法は無いわけではないが……」
戦士「え、あるの!?」
魔法使い「一応はあるが、その前に一つ言わせて欲しい」
戦士「なになに?」
魔法使い「本当にギャンブル以外での返済方法は無かったのか? お前、一応冒険者やってるだろ?」
戦士「俺のランクだったらギャンブルの方がまだ現実的だったけど?」
魔法使い「……そう言えばまだEランクだったなお前、そこら辺の子供とあまり変わらないぐらいのランクなら仕方ないか……」
戦士「今から頑張っても返済期限までには間に合わない、本当に頼む!」
魔法使い「……この方法はあくまで最終手段、本当に他の返済方法は無いんだな?」
戦士「無い!」
魔法使い「……まじかよ」
戦士「もったいぶらずに早く教えてくれよー」
魔法使い「……手っ取り早く稼ぐ方法以外にも他の方法も一応考えているが、そちらも教えた方がいいか?」
戦士「今日はやけにもったいぶるなあお前」
魔法使い「それだけの方法だ、お前も慎重に考えろ」
戦士「こっちは後がないんだ、多少の危険は覚悟ぐらいしている、それでも躊躇う程なのかその方法ってのは?」
魔法使い「いや、危険って程ではないはずだ、ただ……いや、最後に聞くが、お前は本当にそれでいいのか?」
戦士「それでいい! どんな事でも鉱山行きよりはマシだろ!」
魔法使い「ならばこの誓約書にサインしろ」
戦士「わかった!」
魔法使い「……まさか誓約書に書かれてる文字を読まずにサインするとは、正気か?」
戦士「文字を読むと頭が痛くなるからな!」
魔法使い「まあいい、これでお前は実験体になることが確定したんだからな」
戦士「……え?」
魔法使い「この誓約書にしっかりと書いてあるだろ? 魔法の実験体になるって」
戦士「貴様ァ! はかったなァ!!」
魔法使い「いや、謀るもなにも、割と大きめに書いてあるけど……」
戦士「おのれ、おのれ、おのれェ!」
魔法使い「まあ、誓約書に書いてある通り借金は立て替えておくから安心しろ」
戦士「全く安心できないんですけど!? お前は一体、何をするつもりだ!?」
魔法使い「取り敢えず開発した魔法全部」
戦士「やめろォ!! (社会的に)死にたくない、(社会的に)死にたくない!!!」
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