戦士「いい依頼が無い」魔法使い「選り好みするな」
戦士「ギルドに来てみたのはいいけど、ろくな依頼が無いじゃないか」
魔法使い「お前、今の状況理解して言ってるのか? そんな余裕無いだろ」
朝早く冒険者ギルドに訪れた戦士と魔法使いは依頼を確認する。
戦士「なんか薬草採取とか下級の魔物討伐しか無いんだけど」
魔法使い「お前のランクで受注できる依頼がこれぐらいしか無いの間違いだろ。まさかこの歳にもなってEランクかよ」
※ランクは下からF〜Aまでが基本となっている
戦士「だって依頼受けるの面倒だったから今までサボってた」
魔法使い「だろうな。まあ、この程度の依頼ならお前一人でもなんとかなるだろ。さっさと終わらせて昨日の宿代の分の金返せ」
戦士「…え、一人でっすか?」
魔法使い「不服か?」
戦士「無理だって一人じゃ、俺そんなに強く無いから」
魔法使い「お前と同ランクの後衛職の奴だって一人でなんとかなるぐらいの依頼だ。行け」
戦士「しばらくサボってたから体が鈍ってるんだ。助けてくれ!」
魔法使い「断る。さっさと行け」
戦士「ひどい…こんな仕打ち初めてだ」
魔法使い「いい経験になっただろ。少しは感謝しろ」
戦士「お前に人の心はないのか⁉︎」
魔法使い「そんな言い訳する暇があるなら依頼受けてこい。俺そろそろ仕事あるから」
戦士「え…お前仕事って…冒険者はどうしたんだよ⁉︎」
魔法使い「冒険者稼業に限界を感じてな就職したんだ。一応副業可能なとこだから冒険者は辞めてない」
戦士「そんなの聞いてないぞ⁉︎」
魔法使い「そりゃ言ってないからな」
戦士「俺達仲間だろ! なんで勝手にそんなこと⁉︎」
魔法使い「お前と依頼受けたのたったの数回だけだ。俺にとってはお前なんて腐れ縁の知り合い以外の何者でもない」
戦士「以外と好感度高かった」
魔法使い「好かれてない自覚あったんだ。まあ頑張れよ。一応仕事が終わったら様子見に来るからな。それまでに依頼終わらせてこい」
戦士「ちょっと待てよ! 頼むから! 一人じゃ無理だって!」
戦士の必死の叫びもむなしく魔法使いはその場を去って行った。
◇◇◇
そして、その日の夜、仕事終わりの魔法使いの目前には土下座をしている戦士が居た。
戦士「すみませんでした」
魔法使い「いきなり土下座ってことは依頼失敗したのか?」
戦士「依頼受注せずに闘技場行ってました」
魔法使い「……」
戦士「あの…無言で笑うのやめてもらっていいですか。後、目が笑ってないんですけど…」
魔法使い「我が呼び声に応えよ炎の精霊よ〈召喚:
魔法使いが呪文を詠唱すると、炎の魔人が現れた。
魔法使い「やれ、イフリート」
炎魔人「了解した」
戦士「…この状況で入れる保険ありますか?」
魔法使い「お前、金無いだろ」
その後戦士は炎魔人に死なない程度にフルボッコにされた。
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