第35話 修二と和美が結ばれた夜

修二と和美は何度もキスを交わした後、自然の流れによって

ベットへ入り込む。2人にとって15歳差なんて関係なかった。

ただ愛しいと想う気持ちだけで互いに引き寄せられていた。

 

双方の身体の傷でさえも愛撫し合う。


〈その痛みを二人で補っていこう…〉


〈私達は密接する身体を重ね合い体温を感じていた〉


修二は優しく和美を抱きしめ、優しく何度もキスを繰り返す。

口の中で唾液が溶け合い音を立て愛し合う。

それは、まるで運命が引き合わせてくれたかのように欲を満たす。


首筋に電流が走ったみたいに反り返る和美の背中を修二が強く

抱きしめ交わる肉体美に振動を加え体温を高める。

快感と興奮が同時に満たされた時、共に息が荒がえるような喘ぎ声が

唇の隙間から漏れていた。


すでに2人だけの世界に癒され共に快楽に溺れていた。

そして、和美は重なり合う身体から体内に修二を感じていた。


〈ああ…熱い…クラクラする…トロけそうだ…〉


〈それは今まで感じたことがないほどに居心地がよく温かさがあった……〉


〈修二君を感じている…〉


修二もまた重なる体温に触れ和美を感じていた。

〈和美さんの温もりを感じる……気持ちいいほどに心まで満たされていくようだ…〉



互いに絡み合う指は離れることなく汗ばんでも繋がっていた。


〈和美さん…〉


〈修二君…〉



その夜、修二と和美の熱い肉体は2人を一つに結んだーーーー。






布団に潜り疲れたように眠る修二の幼顔を和美は見つめ幸福に満たされていた。 


「ねぇ…和美さん…」


「…え…しゅ…修二君、起きてたの?」


「幸せすぎて今日は眠れそうにないかも…」


〈私もだ…〉


「でも…早く寝ないと、明日仕事でしょ?」


「うん…そうなんだけどさ…。明日さ、出かけようか…」


「え? 出かけるってどこに? 仕事は?」


「うん。もうすぐ年末でしょ。俺、真面目に仕事行ってたから有給たっぷり

残ってるんだよね」


「え?」


「1日ぐらい、休んだって平気(笑)」


「修二君…」


「ねぇ、明日デートしようよ」


「え?」


「じゃ、おやすみ」


「ちょっと、修二君!?」

 

「和美さんも早く寝た方がいいよ」


修二は和美に背を向けるとそっとまぶたを閉じる。


和美は静かに修二の寝顔を覗き込む。

「はやっ…。ぷっ……」

和美は思わず、無防備なあどけないその寝顔に笑みをこぼした。



そして、和美はいつの間にか修二に寄り添うように眠り、

                    朝を迎えたのだった―――ーー。

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