第5話 母は17歳の少女
少女の名前は
八方美人。透き通った白い肌はまるで雪のように美しい。
スタイル抜群でスカート丈を膝上にしてスレンダーに伸びた脚に履いた
ルーズソックスは思春期を迎えた女子高生が無理に背伸びをしている
ようにも思える。少女の艶やかで長い黒髪は背中まで伸び、制服から形どる
豊満な胸は際立っていて
特に垢抜けている風でもなく、授業態度もどちらかというと真面目な方である。
このクズ彼氏の名前は
身長170センチ。普通体形。和美の他にもセフレが2人いる3股男。
かなりの遊び人だ。
「わかったよ、亮ちゃん」
和美は亮介に言われるままに赤ちゃんを捨てることを決めた。
「そうか…」
亮介はホッとしていた。
〈和美がバカな女でなかってよかったぜ〉
「ごめんな、和美…。辛い想いをさせちまったな」
亮介は優しく和美の肩を抱き寄せる。
「亮ちゃん…。でも、捨てるってどこに?」
「この先に神社があるだろ。今日は大晦日だし、初詣に来る
参拝客もいるだろうし、誰かが気づいて拾ってくれんじゃねーか」
〈もう、犬や猫と一緒にしないでよ〉
「もしも、気づかれなかったら?」
「確実に死ぬんじゃねぇ。それも、まあコイツの運命ってな」
〈ほんとに亮ちゃんは自分勝手だ…〉
「ねぇ、亮ちゃん…お願いがあるの」
「なに? 面倒な事はごめんだからな」
「最後にさ…。この子、お風呂に入れてあげてもいい?」
「好きにしろ」
「ありがとう…」
そして、和美は赤子を抱いたまま浴室へと向かった。
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