四話、されど日は登る
鳥が空を
白んでいた空は青く染まり始め、温かい光がエルラインへと
その下で、アルスは
「――よし」
一晩が過ぎ、
少女が目覚める可能性もある。
推測でも
(まぁ最悪お昼に回せばいいし)
朝食となる
アルスのここ最近の主食である。もはや店員にさりげなく顔を覚えられているぐらいには食べていた。味に関しては申し分ない。
問題は推定でも自身よりも幼い少女が食べきれるかどうかであるが、残った場合は量によって考えればいい。何も食べないよりは
「さて、おはよう」
アルスの
作られて
「頂きます」
目を閉じて
「
あっという間に、手元の朝食はなくなってしまった。
このために朝早く起きてまで
そのまま
見知らぬ少女の看病をすることになろうとも、
それに
特に武器を。
「早く起きれると良いね」
それは
村であれば周囲に
目覚める事を願い、
⚔
大通りの一角の、中でも
と言ってもなり立ての
近くに
(いやそれは
曲がりなりにも命を預ける大切な武器。
どうしても
(あ、これ高い)
基本的に、こういう初心者用と言うのは同じく
中には才能があるのか目を見張る物や、
後そんな予算も
「金級」や「白銀級」、ましてや「黒金級」であればどれだけ高かろうがそれ相応の収入でもって
まぁ「銅級」
「う~~~ん」
(前のがこれぐらいだったとはいえ、思ったより早くに
夜の森にて役目を終えた
実際は格上との戦いで
「くっ」
思い出してはちょっと切なくなる。手に
それも仕方ない。次の
しかし先代もそれまで使用していたために
「よう!」
迷うアルスの背に、低い声が届いた。そして軽い衝撃が響く。
いつもの事だ。むしろ
「ホーレンさん」
ホーレン・スミス。アルスとしては
「お久しぶりです」
「おう。お前さんが
「…………あー」
もしかたら大笑いされるかもと想像しつつ、事情を説明する。
しかしホーレンは思いのほか静かに、
「ほーう。《ドレスト》で変に
「いっ!?」
二度目のちょっかい。
「つつ。まぁその時
命あっての物種。
しかし命を優先するためには生きなければならず、生活のためには結局また同じことを
「お前さん
「はは、まぁそうですね。ずっと直
そして探しているのもまた直
どうして使っているかは、アルスなりに真
「それよりホーレンさんはまたどうして?
「ん?」
服装を見れば、休日によく
「はっはっは。ちょっと色々と見て回りたくてな!」
「…………ああ。
「それは困るな、じゃっ」
無類の、と言わないまでもいつもの
(本当は手を出す気もないだろうになぁ……)
ちゃらんぽらんな様に見えて、ちゃんと大事な場面では誠実であれる人だ。アルスの二年の経験がそう言っている。
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