三話、ぼろぼろの少女
《エルライン王国》。
加えて
その国の中でも
「
ため息を
明るめの
年若く血色の良い顔には、
現在約活動歴二年の
「あああッ! 新しく
頭を
一日前、アルスは《ドレスト》という場所で
つまりほとんどを森に捨てて帰ってきたようなものなのだ。
それは
「っと」
「ん? すまない」
「ああ、いえ。こちらこそすみません」
武器屋はどこが良かったっけ。ああ光
この先の出費に
「今はそれどころじゃない、か」
ちょっとした
なにせ――。
「よお
「あはは。ありがとうございます。次もよろしくお願いしますね」
顔見知りの馬車の主に許可を取り、中へと入る。
荷物は本当に
「……」
一応持っていた衣服を
アルスは顔を
アルスが森の中で見つけ、なんとか助け出す事に成功した少女だった。
(一応応急処置はしたけど、目を覚まさない。体も洗うべきだし、服だって。目を覚ましてくれない事にはどうしようもないけどさ)
困ったように頭を
アルスの
というより、
ということは
もしそれが複雑な家庭
そして仲間とは
「取り合えずちゃんと
協会から少し
王国の、加えて協会の近くという事もあり
アルスもこの二年の内に何度か利用させて
「もう少しの
なるべく負担がないように、細心の注意を
ただでさえ助ける時は
そのまま馬車を出て、無理ない
時間が
それでも見世物みたいに遠くから見られるのは
(ついでに身分が分かってくれるとなぁ)
一度乗った船の様なもの。
ここまでくれば、
知り合いがいてくれれば、事情を説明し保護してもらう事だって可能なのだ。
少女のこの先の事を
――そして。
「一部傷が深いのと、負傷
「……分かりました。ありがとうございます」
代金を
青空はかき消え、代わりに小さな光が点々と空を
「考えることが多すぎる」
一安心だが、事態はそれだけじゃない。
大きく見ても、
第一、少女を知る者が
空き時間に
つまり
これでは
第二、
このままでは自分の宿に連れて行くしかなくなってしまう。
加えて安静と言うことは、短くても数日少女が自分の
第三、少女の容姿。
そして最後、この先の事。
アルス自身の事情もある。そして少女が目覚めた時、知らない
そして
つまりこの先が想定できないのだ。
「本当に、困ったなぁ……」
一応どうしようもないため、止まっている宿へとアルスは足を動かしている。
しかし
(こんな時、どうするんだろう――)
「いや、考えても仕方ないか。取り合えず
思考
どちらにしろ目先のやることは決まっている。情報をまとめるために時間は必要だった。
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