二話、出会い
場所は《エルライン王国》より東北にある大きな森。名を《ドレスト》。
浅い所であれば「銀級」から「銅級」。深く
「――っ。はぁ……はぁ……」
息を切らして
『――』
その背後には
まるで群れで
「ッ!? っく……!」
接近に気付いた
その右手にはお世辞にも
しかしそれも仕方がない。
『――』
「ほんと……。どうして『
悪態をつくように
「
その
何よりも今まさに追いつめられている
「――」
『――』
お
まだ日が出ていた
対して
どう考えても分が悪かった。
(それに……)
ちらりと、
その一つとして、
理由は簡単で、しかしこの場では
『――!』
「ふっ!」
ついで
背後を気にする
意識を失っている見知らぬ少女の事が、
(
少女を背負うために左手は
予期せぬ負担を
絶望的と言っていい。
⚔
そこで
個体による強さの
「えーっと……後はー」
男は
「あー……ちょっと足りないかな。もうちょっと時間がかかりそう」
内容を
そして森の中を歩きだした。
「んー、暗くなるまでには終わりそうだけどなー」
男の想定では
決して
「まさかこんなにも
そして
「
男が
残念ながらやる気に満ち
「っと。早く目的を終わらせないと」
森に
いくら場所が外に近かろうとも、進む先は中であり後少しで明かりは
何より帰れなくなる。
――そして。
『――』
太い木に
この時点で男の
男は一点に視点を向けていた。
(なんで女の子が……っ)
男から見て
一体どんな姿なのか、どうして囲まれているのか、その
(どうする。どうすればいい。どうして『銀級』がこんなところに!)
この場所は森の中でも
いや、それよりも。「銀級」が
(
男は先ほど
男が
その理由は一つ。
例え「銀級」や「金級」の
――それが
男は異常に気付いた時から極力
(それよりも、助けないと……!)
男の頭に
どちらにしろ
それでも助けに入ることは難しい。
相手は男よりも格上の
その状態で他を気にしながら
だからこそ男は
――だが状況は待ってくれない。
『――』
その
(っ)
数秒先には
助けるか、見捨てるか。
「……っ…………ぁ……」
小さく、動いたのは――少女だった。
まだ息がある。生きている。小さく声にならない
(何をしている。何で動かない。
小さく目を見開き、そして男は口元から手をどけた。
(ええいッ、やってやる!)
男はようやく意思を固めたのか、
どのみち
「――くらえッ」
左手に収まっていた
暗い森の中が
『――!?』
夜行性
視界を
手の届かぬ
「これは……っ」
目を開けた男の視界に映るのはぼろぼろな少女。
背は
この異常が発生している森の中で、生きていることが不思議なぐらいに
月明かりが
「っ!」
『――!』
背後から
(そりゃあ全部
戦力差を実感し、男は
本当ならば少女の状態を
その先は森の深く。出口とは
『――』
『――』
目が
それを片手で何とか近づかないように
背を向けるのは自殺
(――早く出口を探さないと!)
⚔
このままでは助けるどころか
(このままじゃ……ッ)
予期せぬ危機との
それは
(――明かり……ッ!?)
男の視界の先、もはや黒以外の色がないのではと思われる木々の先に、
(
それを考えていない訳でもでもないだろう。しかし男は
それに、
全力を
木々を
――
「そういう、ことか……っ……」
男の
森の中に生まれた
その
走って数秒、たったそれだけで
無理矢理足を止め、背後に
見えていた光は、木々がないが
「追いつめられたっていう訳だ。判断を
『――』
つかず
その目は
「いや、それなら最初からそうだった」
加えて
それと比例して、場の
二頭が
『――ッ』
「ふっ! っ!?」
『――っ? !!』
男が
応戦しようと
限界を
二つになりあらぬ方向に飛んだ
男は武器を失った。
どちらにしろ、助かる可能性を見つけられない。
「――なら、最後まで
折れた
長く続く命の危機が、男を
走りだす。森の中ではなく、
だが、それだとしても。
「ごめん、助けられなかった!」
それは、少女への言葉か。
文字通り身を投げるように、男は底の見えぬ
捨てた
重力が無くなったように、
耳を
深さがどれほどのものか。
それでも男は希望を捨てない。
最後まで生きる方に
男は
「【大風よ!】」
左の手のひらが小さく
体中に残る
そして、
生み出される暴風とまで呼んでもいい風の
それを見届けることなく、男の意識は一足先に
これまた小さく、男と少女を光が包んだ。
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