二十四話、少年ではまだ届かない
型取られた
中級氷
「…………」
黒
衣服を通過して
「……!」
「っ【――脆氷壁!】」
機動力が落ちた。黒
対して少女は、間に
(これで取り合えずの障害物は確保)
しかしそれも一部が
二重
「……」
今なら
「応急処置……
けれどそうするべきだと判断した。罪悪感だとかそういう後ろめたい感情が起因していたとしても。
氷に囲まれた
(思い出せ。あの時の
情けない事に手札の
だからあり得ないそれを引き出そうとする。
――けれど
⚔
なればこそ、衛兵も動く。見た限りでは、王国の
あとは
「……」
「【っ――脆氷壁!】」
機会を見計らい、様子を
作られた氷の
少年と少女で対処できるなら任せても良かったが、警備の問題もある。
「さて」
屋根から飛び出して、武器を取り出す。
「……何者だ」
「情報屋さ。ここ最近の
「…………」
負傷し、二度目の武器も失い、黒
氷の
「そうか。先日、
「想像に任せるが、いいのか? 王国も動いているぞ」
破った側から再生、ないし張られる可能性がある。
「――……らしいな」
この
思い当たる限りでも最も分かりやすいのは、ほとんどが無力化されているという
「こちらとしては、
「それを聞いて、従うと本気で思う訳ではないだろう」
自身が
その結果
「……」
そもそも、目の前の情報屋を名乗る存在の言葉を
ここで
「戦うというのなら、いいだろう。お相手しよう。ただし、
翠の少女が
情報屋は、方向を指し示した。氷の
「【
その先、
⚔
一体何が。その疑問を差し置いて。
「ッ【――杭牢氷矢】!」
やはり自身が使えるのはそれまで。そう理解しながら少女は
敵である黒
「――」
それを
視界から外れる。
「っ」
位置関係から、何となく情報屋が
「……」
屋根の上、少女の身体能力では
その手には何もない。
「味方、でいいんですか」
ちらりと、目を動かして一定の
「ああ。君なりに受け止めやすく言うと、そうだな。
「……なるほど」
「それよりも、あちらだ。先ほどの
「そちらこそ。
両者共に黒
それに対して黒
情報屋とアルスで外に出てきた手先は
「……」
「一応言っておくが、
情報屋へと、
黒
「レンドと言う。アルス君と共に君を探す
「……そうですか」
「
その言葉に、リノは考えた末に
それを受け入れて、情報屋はアルスを
動こうとして、どたどたと足音が聞こえることに気づいた。黒
「
「はい」
情報屋の後を付いて、リノは後方を
その
それが正解だ。それが最適だ。自分以外を安易に信じるな。一度でも裏に
「……」
情報屋は気を失った少年、アルスを見下ろした。
相当に
情報屋を始めてはや数年。基本的に
「なんですか」
情報屋は
きっと、
「いいや、いい主人を見つけたな。っと、
「…………否定はしませんよ。少なくとも、この人が生きている限り
「ははは。
だというのにそれをせず、あまつさえ助けるために危険に身を置いた。まぁ、少女がそれを知っているのか、それとも知っているが少年には説明せずに
(本当に、不思議だな)
少年も、少女も、その関係性も。
何にせよ。まぁ生き延びたのだ。
⚔
路地裏に衛兵が
その中心には何もなく、ただ争った
「プラット五席。どうやら終わってしまったみたいです」
気弱そうに、ともすれば
「そうだなランドール七席。何が起きたかわかるか?」
情報を集めるためにと衛兵に指示を出しつつ、この場で最も立場のあるその男は少年へと質問した。
プラットと、そう呼ばれた男は
「
才能を見出され高密度の
「血気盛んな若者の
持参された街灯と似た仕組みの小道具で照らし出された地面。
「――しかし
「はい。……すみません
「いいや
「よし、ランドール七席。
「
「おーう、あんまり張り切り過ぎるなよー。
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