十話、迫る気配
時間は
「さて」
立ち上がり、固まった体を
ここから先は
「?」
「リノちゃん。そろそろ森を出よう。
「……また、あの運び方ですか」
「
その間として、アルスは
(敵はいない。前使った時から変わってるところはない。安全だ、今のところは)
異変はない。感じ
「――分かりました。これ以上考えている時間はないようですね」
「そっか。よかった」
心底安心したと、胸を
日が落ち始めて少し、辺りは
最後の警告として、再三とばかりにアルスは先ほどと似たようなことを口にする。問題を共有するように。
「いいかい、リノちゃん。今回は運がいいし、一応地形に
「……」
リノは
一応足場の悪い
そうして――。
「……」
「じゃあ、行くよ」
明かりがあったとはいえ
アルスは安全を確かめてから
「しっかり
「はい」
血を
――その後ろ、聞こえない
⚔
その下で、
時には立ち止まり
「……」
しかし少年は知らない。そのまま安全に、何の問題もなく森を
少年に落ち度はなかった。むしろその立場からすれば十二分以上の
少年は立ち止まった。異変を感じ、姿を
それは接近した。
「ッ!」
数瞬
「
「――
忘れるな。
すれ
「ごめんリノ、少しの間降ろしていいかな」
「戦いますか?」
「うん。どうやら
リノを木の根元付近に降ろし、体重を木に預けられるようにする。
(手が
リノを守るように立ち、
「手早く終わらせる」
合図はなかった。
ただ
(軽いっ。その負傷は
全力でアルスは
「っふー……」
呼吸を思い出したように息を
一挙手一投足を
「次ッ」
休ませる
(行ける。油断するな
加速する時間の
「ッは!!」
そして
どぼりと
「っ」
ただでは終わらぬとばかりに割れた
なりふり構わない、
「いい加減、終われッ!」
重く深く
それが最後となり、
しかし
(何を――)
そして
「――終わ、った」
昼間からの
それをアルスは
「リノ!
「……はい、
木に背中を預ける少女へと本格的に意識を
「よし、行こうか」
「体力は、
それこそ
「
「……分かりました、お願いします――と、言いたかったのですが」
「どうしたの?」
手を
そのまま目を閉じる。
「アルスさん。
「
心当たりとしてあるのは一つ。しかしだとすればアルスの想定は外れたことになる。
「
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