「ベトナム怪人紀行」 ゲッツ板谷

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「 2年前、オレはベトナムに完敗した。 連日の猛暑に気力と体力を奪われ、人々の逞しさに圧倒され、棺桶のような寝台列車のシートでうち震え、ベトナムの菌にやられて腹を下し、ウニのトゲを3回も踏んで黒豚のような悲鳴を上げ、最後はスリに有り金を全部やられた 」


出典:『ベトナム怪人紀行』ゲッツ板谷 より

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 しょっぱなから、ガツンときます(笑)

 今回は、ゲッツ板谷さんの「ベトナム怪人紀行」を、ご紹介します。


この本は……


****** 不良デブ(ゲッツ板谷)と兵隊ヤクザ(鴨志田穣)【この当時、西原理恵子さんの夫だった鴨ちゃん】が「絶対降参しない国」ベトナムで個性の強い” 怪人 ”たちと勢いだけで突き進みタイマン勝負するという人気紀行シリーズ第二弾です。

 ※カバーイラストと文中の漫画を西原さん、写真を鴨志田さんが撮っています。


     ◇


 わたしはゲッツさんの特に紀行文が大好きで前作の「タイ怪人紀行」も、この後の「インド怪人紀行」も読んでいるのですが、毎回この身体を張った生の勝負に度肝を抜かれ驚かされ、そしてお腹がよじれるほどにガハハハと笑ってしまうのです。


 ゲッツさんや鴨ちゃん達が切り込み突き進んでいく剥き出しの迫力に「馬鹿やってるよ~!」と笑いながらも、ふとベトナムという国の濃度に、魅惑され目が離せなくなっている不思議。


 ゲッツさんたちの怪人紀行シリーズはガイドブック的でもなく、人生教訓的なものもなく、だのに何故か後を引くのです。


 そしてサイバラさんの表紙絵と漫画がいつものごとく、この怪書?に、あだ花を咲かせてくれています。


 読まず嫌いできた方がいたら、是非読んで欲しい。

 確実に爪痕を残してくれます。

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