「汚れつちまつた悲しみに……」中原中也

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「 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる…… 」


出典:『汚れつちまつた悲しみに……』中原中也 より

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 今回は、中原中也の詩集「汚れつちまつた悲しみに……」を、ご紹介したいと思います。


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 中原中也といえばこの「汚れつちまつた~」の詩があまりにも有名です。

 わたし自身、中原中也の詩の中で好きなものを選ぶとしたら、絶対に入れたい一編です。


 中原中也は30歳という若さで亡くなりました。

 詩人への道を決意した18、9歳のころの写真をご覧になられた方も多いと思います。

 黒帽子を被った中也の大きな瞳は何とも印象的です。

 しかし、本人はかなりエキセントリックな一面もあって、酒乱だったともいわれています。


 結婚して妻子もいましたが、我が子に幼くして先立たれ、ショックで精神が不安定になってしまいました。


「また来ん春……」という詩は中也が、その哀しみをうたった詩です。

 親としての途方に暮れるような、やるせなさが胸を打ちます。


 他にも「サーカス」「北の海」「骨」などの好きな詩と、読み返すたびに、また別の詩が心に引っかかってくることもあり、わたしにとっての中原中也の詩集は、ずっと手元に置いて読み返したいものです。


 決して長くはなかった人生、挫折や辛い別れの日々、聖人君子などではない欠点だらけの、でもその人間らしさが、わたしを強く惹きつけるのかもしれません。

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