「運命の裏木戸」 アガサ・クリスティー
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「ええ、これはわたしにとっては謎の事件よ。 『メアリ・ジョーダンの死は自然死ではない。犯人はわたしたちのなかにいる。 わたしには誰だかわかっている』 ああ、トミー、これではどうしたって、ひどく好奇心をそそられるじゃないの」
出典:『運命の裏木戸』アガサ・クリスティー より
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今回もアガサ・クリスティーの作品で” おしどり探偵 ”トミーとタペンスシリーズから「運命の裏木戸」をご紹介したいと思います。
この作品は……
****** のどかな生活を求めて田舎の家へと越してきたトミーとタペンス夫婦。 ところが引っ越し先の家で発見した古本には「メアリの死は自然死ではない」というメッセージが……。
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トミーとタペンスシリーズ最後の作品です。
初登場の「秘密機関」では” 二人の歳を合わせても45にもならなかった ”トミーとタペンスですが、この最終作品では共に75歳前後と老境にさしかかっています。
クリスティ自身も80歳を越えて書かれた実質的な遺作でもあります。 それだけに二人の若かりし頃の作品のようにスリル溢れるというわけではないのですけれど、老境に入った二人が(特にタペンスが)相変わらず生き生きと描かれているのが魅力です。
昔の事件を解決するというのはクリスティの他の探偵ものでも良くあるのですが、これは昔の事件(陰謀?)が現在進行しつつある陰謀へと繋がっていることが徐々に浮き彫りになってきて、トミーとタペンスはそれに巻き込まれて(自ら飛び込んで?)いくことになります。
そういう背景もあり、内容が掴みにくい部分もありますが、のんびりじっくりと読むことで補い楽しめると思います。
あなたがトミーとタペンスシリーズのファンなら歳を重ねてもなお、いたわりあい人生を楽しんでいるその後の二人の姿に微笑まれることでしょうし、初めてトミーとタペンスのシリーズを知ったという方は、一度この本を閉じて、若かりし二人に会いに「秘密機関」から順番に読まれるのも楽しいかと思います。
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