「午後の恐竜」星 新一

 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

「 彼は三十歳ちょっと。努力したかいがあって、この間やっと自分の家を持つことができた。この家。小さく、都心へ通勤するにはけっこう時間がかかり、借金もたくさん残っているが、とにかく自分の家なのだ。

 家族は妻と坊やひとり。数ヵ月後には、もうひとり子供が うまれる予定だ。こんどは女の子だといいな。男は楽しく空想した。高望みすればきりがないが、いまのところ大きな不満のない生活といえた。」


 出典:『 午後の恐竜 』星 新一 より

 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


 今回は“ ショートショートの神様 ”とも呼ばれた 星 新一 さんの本のご紹介です。


 この本には……

 ******表題作「午後の恐竜」の他に「狂的体質」「戦う人」「契約時代」「理想的販売法」「幸運のベル」など全11編が収録されています。


 星さんの本は、どれも読みやすく短編でありながらも意外な結末が心に残るものばかりです。

 そして結末を知りつつも何度でも飽きずに読み返したくなる魅力に満ちています。


 その中でもわたしが一番印象深いのが、この「午後の恐竜」です。

 冒頭に引用した、主人公のささやかだけれども幸せな生活ぶりの描写。

「午後の恐竜」という題名の意味とは?


 この一編を読み終わった時に、 あなたは どんなことを思うでしょうか。

 この本が気に入ったら是非、星さんのショートショートの世界に足を踏み入れてみてください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る