「うしおととら」藤田和日郎

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「 どうやら・・・わしも・・・ そろそろらしいや・・・


 オレも・・・ 獣になっちまうんだ・・・ お互い・・・様だよな・・・


 くくっ、笑わせんな。 獣は涙を流さねえ。 おめえなんざ・・・ わしにゃなれねえよ。


 バカヤロウ、とらァ、まだ死 ぬんじゃねえ。 まだオレを喰ってねえだろうがよォ。 おまえは・・・オレを喰うんだろォ! とらァ!


 もう・・・ 喰ったさ。 ハラァ・・・ いっぱいだ。」


 ***最終章 其ノ参「うしおととらの縁」より抜粋


 出典:『 うしおととら 』 藤田和日郎 より

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 今回は空知英秋さんと並んで、わたしの好きな少年漫画家の一人、藤田和日郎さんの作品をご紹介したいと思います。


「週刊少年サンデー」で1990年から1996年にかけて連載された「うしおととら」は、 かなり古い作品ですが、今も輝きを失わない名作です。


 主人公の少年:蒼月潮(うしお)は中学生。自宅の寺の蔵で一本の槍に縫いとめられていた妖怪と出会い、ひょんなことから封印を解き、妖怪を解き放つことに。 その妖怪を とら と名付けた うしお は とら と共に妖との戦いに身を投じていきます。

 これは、うしお と とら が妖怪退治の「獣の槍」を武器に、最強最悪の大妖「白面の者」と戦う姿を描いた物語です。


 冒頭の台詞はあまりにも有名ですが、「うしおととら」には他にも沢山の心に残る場面や台詞があります。 うしおととらを巡る、人々や妖(あやかし)とのエピソード。

 人と妖との垣根を越えて結ばれる絆は胸に迫ります。


 人の心を読む妖怪さとりと目の見えない男の子ミノルの話……。

 真由子と とら のほのぼのとした関係と二人の別れのシーンの切なさ……。


 2015年7月から12月まで26話、2016年4月から6月まで13話の全39話アニメ化もされた作品ですが映像化されていない話もあるので原作本でも是非!


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 ※次回も 藤田和日郎 作品から 「からくりサーカス」 をご紹介したいと思います。

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