リトライ農家-30歳の詰み男が高校生に蘇る-

源氏物語が好きなワタシ♂

過去に戻らない。

過去に戻りたい。

過去に戻る。

過去に戻る時だ。

過去に戻れば。

過去に戻れ。

今日も「戻る」の五段活用が決まった。

3月1日の誕生日の日に私は何を思っているんだろうか？これから30代の大台だぞ。と、飼い犬のリエンと話していた。15歳＋15歳だぞ。ということは、5歳＋25歳でもあるんだぞ。どやっ。

と心の中でつぶやいた。誰にも聞こえない。

とーりゃんせ♪とーりゃんせ♪。

ここは過去への細道じゃ♪

天神様の細道じゃ♪

用しかないから通してよ♪

と一人しかいない部屋で大声でテンションアゲアゲで歌う。

「うるさいなぁ…」

リエンがそんな目で見てくる。

リエンは今年で私的には5歳頃だと推測する野良犬を飼い犬化したマークⅡだ。

なんでもマークⅡをつけるとかっこよくなる法則。

話は変わるが、

私はずっと一人だった。

孤独のアビリティが発動していて、基本的にあまり人とは深く仲良くなれない。しかし、欲求のステータスに人と仲良くなりたい。人と関わることであなたは幸せになれる。というのがついているようだ。

なんのためにこんな初期ステータスで生まれたんだろう。いっそ幸せじゃなくても、孤独じゃなければな。

光源氏もきっとこんな境遇だったんだろう。紫式部もよくあの時代に、あんなブリリアントな小説書いたよなぁ。マジリスペクトだわ。しかも男じゃなくて女。紫式部は男気があったんじゃないかと思う時もある。

光源氏はいろんな女の人を抱いても孤独感が耐えなかった様子だった。きっと人気者だったに違いない。明石に追放されるという展開がいい。追放モノの原点は源氏物語にあるんじゃないか？しかも追放されたあと、平安京はとんでもないことになり、結局、呼び戻されるところとかも人望があったんだろうなぁと思う。

幸運・人望・名声・権力・名誉・財産。あらゆるものが手に入っても心の隙間が埋まらなかった光源氏。

あぁ、私も好きだった人に似た女の子がダンボールに入っていて「拾ってください」とか書いてないかなぁと、光源氏に憧れる。

光源氏はマザコンで母親似の女の子を誘拐したイケメンである。で、大きくなったら結婚してしまった。

現在のラノベよりも属性盛りすぎじゃないか？と思う時もある。ちなみに光源氏はNTRを果たして父の嫁に子どもを作らせる。BL展開も若干入っているのもえらく先進的だ。1000年経っても色あせない。日本屈指の物語である。

光源氏に似てるような気もするけど、あそこまでゴージャスでブリリアントな暮らしは送れてないよなぁ。生きゆく人々が、なぜか私のほうに民衆が振り返ってきている気がするが、どうしてだろう。なぜ、話しかけてこないのだろう。

光源氏と私の差は行動力と血筋。容姿的にもそんなに変わらない。

ただ俺には他人の嫁をNTRような行動力も、他人の子どもを誘拐するような行動力はない。

1000年前は権力者は何しても許されたが、今は法治国家ジャパンが誕生していた。

法律に書いてあることは守らないといけない。

隣に幼馴染がいるゲームとかするたびに、どうして私はそういう設定で生まれてこなかったんだろう？と自分を自分で縛ってあげたくなる。自縄自縛の人生だった。