《書籍第2巻、好評発売中!》AI松浦明石市長〈超高性能フルスペック量子コンピュータ市長)の86億4千万回のひとりごと(市民生活シミュレーション)
第2話 かりそめの平和な風景、トロリーバスに揺られる。
第2話 かりそめの平和な風景、トロリーバスに揺られる。
電停に着くとトロバス友で幼馴染の蒼(あおい)くんがいた。
私はタクシー嫌いだからトロバス乗るんだけど、蒼は単に乗り物好きでわざわざトロバスに乗るらしい。
妙な仲間意識もあるような、私はなんとも思ってないけど。
「おはよ、ちょっと寒いけどいい天気だね、今日はトロバス日和だ。」
「今日「も」でしょ、蒼くん。」
「源(げん)さんおはよう!」
源さんは数少ない無軌条電車免許を持つトロリーバスの運転士さん、日本ではトロリーバスは明石市にしかない。
架線にトロリーポールを乗せ終わったとこみたい。
「よう嬢ちゃん、もうちょっと待ってくれ。」
私の指定席は左側の一人席の先頭、前の眺めもいいし源さんの話し相手も務めないといけないしね。
蒼もこの席座りたいみたいだけど譲らないよ。
仕方ないから蒼は一つ後ろの席に座る。
「点検よし、嬢ちゃん、乗ってもいいぜ。」
乗り込むと軽快な音楽と語りが流れてくる、頭の中に綺麗な風景が浮かんで来るんだ。
これもトロバスが好きな理由。
しばらく走ると少し色褪せた巨大で赤いタコのオブジェが姿を現す。
タコの駅(旧魚の棚商店街)のシンボルなんだ。
なんでも20年前くらいに当時の松浦市長が北陸のイカの駅の真似をして作ったみたい。
朝早くからどんどん自動車が吸い込まれていく、今日も活気があるなあ。
観光客がタコから顔出して記念撮影してる。
子供可愛い。
市役所の横を通り過ぎて高校前停留所に着いた。
「源さんありがと。」
「おう、嬢ちゃん行ってきな」
次回、鍵を握る三人の少年少女の運命が交わることになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます