《書籍第2巻、好評発売中!》AI松浦明石市長〈超高性能フルスペック量子コンピュータ市長)の86億4千万回のひとりごと(市民生活シミュレーション)

七星剣 蓮

第一章 明石っ子 薫子編 全ての始まり

第1話 ある時代、明石市の日常、ただ、70年前のあの日、地球の内核は静かに回転を止め、逆回転を始めた。

 まえがき

この小説は画期的なIEシステム、つまりインタレスティング、エブリフェアシステムを採用してエンタメ性を高めており、どの途中話から読んでも楽しめる構成にしてます。

 それぞれが独立した短編でありながら、同一の世界観の中で一つの長編が組み上がっていく様をお楽しみくださいませ。

 ここでは第1話からにこだわらず面白そうな各話タイトルがあればそちらから途中読みも歓迎です。

 また、現実世界で日々報道される事件や自然災害、戦乱、先端科学技術がどんどん織り込まれていき、ストーリーにも影響を及ぼします。

 日々発生する自然や偶然の要素に左右されるためストーリーの展開は作者にすら予想できません。

 現在判明しているストーリーの数は86億4000万ルートですが、まだまだ増えるかもしれません。

 そんな新しい小説を目指しています。

 取材をかなり詳しく深掘りしているため、話によってはかなり専門的な記述がありますが、そこは飛ばして読んでいただければいいと思います。

 リモートIDなどの最新の法改正事項も盛り込んでいるほか、実在する核魚雷ポセイドン、拳銃など、マニアの方には垂涎ものの知識、お宝が満載です。

 ぜひ全話の中から宝探しをしてみてください。

 政治関係、軍事関係もかなり詳しく取材して表現しています。


 1話〜9話

 10話〜19話

20話〜

 についてはそれぞれ一部リンクした3つの平行世界が展開されています。

 そのあたりの量子もつれも楽しみの一つです。


 そして明石市大久保町を舞台にした田中哲弥先生の大久保町三部作、逢沢大介先生の陰の実力者になりたくて、かぶれもエッセンスの一つです。

よかったらそちらも読んでみてください。

当作品を3倍楽しめます。


プロローグ


 ⁇フフフ、我が名はパインシャドウ

松陰に潜み松陰を駆る者

 大久保町の決闘から70年余か、早いものだな。


 70年前のあの時、地球の中心に鎮座する直径640キロメートルの巨大な鉄球、内核は停止して逆回転を始める。[実在]

 その巨大で静かな現象はバタフライエフェクトを引き起こしてゆく。

 

 そして、


 その後世界に思わぬところから歪みを生ずることはまだ誰も知らない。







 ◯和25年、


 世界大戦が終結してから5年、


 薫子はいつものように始発のトロリーバスの音とかすかなアンモニアの臭いが混じる潮風と子供の泣く声で目が覚めた。


 ここは明石市、日本標準時の街だ。


 窓を開けるとまだ少し冷たい潮風が流れてくる。

 すごく気持ちいい、いい日だわ。




 高校生になって半年、


 高校生になったことに特段感慨もないけど中学校の友達がみんな一緒なので楽しくやってる。


 リビングに行くとお母さんが朝ごはんを作ってる。


 「お母様おはよう、今日は朝ごはん当番なの?」


 「そうよ、お父様はまだ寝てるの?」


 「そうみたい。昨日も遅くまで仕事してたみたいだし。」


 テレビをつけた、1ドルが300円とかニュースになってたけどよくわからない。

 

 この辺りではテレビを置いてる家は少ないからちょっと珍しい部類に入るかな。

 私はテレビなんて場所をとるだけで要らないと思うけど、お父さんがこういうのは好きなんだ。


 「今日の朝ごはんは何?」


 「今日はお魚よ、最近水揚げが少なくてお魚も高くなったわね。」


 「私、たまにはパンとか食べたいなー、」


 「贅沢言ったらダメよ、小麦は高いしパンなんてなかなか手に入らないんだから。」


 「パンはまた今度ね。」


 今年はまだ少し寒さが残ってる。


 まだ、学校行くには早いし薪ストーブの前に陣取ってマンガでも読もうっと。

 私は少し昔の「虫かぶり姫」のマンガが大好きなんだ。

 こんなすてきな王子様とハッピーエンドいいなあ、などと夢想する、婚約してからがまた大変なんだけど。




 あれ、何かモゾモゾ動いてる。


 「きゃー!Gが出た。」



 人に危害を加えないけどあの見た目があんまり好きになれないのよね。

 なんか昔は人を助けていた時もあるらしいけど、いまは勝手に隙間から家に入り込んで食事していくのよ、いやー!はやく絶滅すればいいのに!


 飛んで入ってくるのよりはまだマシだけど。


 「どうしたんだ大声出して。」


 お父様がのそっと入ってきた。


 「GがでたのよGが!」


 「ん、、、そりゃ!」


 お父様が素手で捕まえた。


 「これは捕まえて明石市役所に持って行ったらいくらか貰えるんだろ、小遣い小遣い♪」


 「お父様よくやるわ、私は絶対触るの無理。」


 「はいはい、みんなご飯たべちゃいなさい、ゆっくりしてると薫子、トロリーバスの時間に遅れるわよ。」


 そうだ、乗り遅れると学校までタクシーになっちゃう、早いけど私あれあんまり好きじゃないんだよね。



 「行ってきまーす。」


 薫子が家を出た瞬間、この先の破壊と消滅の運命が確定してしまう。

 もう誰にも止められない。


次回から3話に渡り、重要なイベントが発生する。

お見逃しのないように。

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